
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク8-4中日>◇5日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンクが交流戦開幕3連勝を飾り、貯金を今季最多3に伸ばした。昨季、本塁打&打点の2冠を獲得した山川穂高内野手(33)を移籍後初めてスタメンから外した新オーダーが奏功。1-0の1回2死一、三塁で、今季初6番の野村勇内野手(28)が2戦連続3ランを放って中日の黄金ルーキー金丸を粉砕した。19年以来6年ぶりの“交流戦優勝”へ、タカが最高のスタートだ。
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スタンドまで届いた放物線は、好調の証だった。1回に柳町の先制打が飛び出し、なおも2死一、三塁。野村は金丸が投じた2、4、6球目の沈む変化球を見送り、フルカウントから8球目のストレートを左中間に引っ張った。「好調の要因は低めの球を見送れていること。打つべきボールが打てているから」。日々、好調の要因を分析していた通りの好球必打だった。
この日は山川が、移籍後初めてスタメンから外れた。DHか一塁かの出場で指名打者には近藤、一塁にはベテラン中村が起用された。小久保監督は「今日の近藤のDHは決めていた。(中村)晃が(打線の中で)機能している中でそれがベストだった」と説明。6日からの次カード、ヤクルト戦はセ本拠地・神宮のためDHがないため、腰の手術から1軍復帰して間もない近藤をDHで“休養”させた。指揮官が「悩みに悩んだ」と話す決断は、相手先発を含めて総合的に勘案し「勝つためにはどれがベストか」の結論だった。
山川が外れて、野村は2年ぶり3度目の6番起用だった。クリーンアップ後のポイントゲッターを託されて2戦連発の6号3ラン。中日の黄金ルーキーを粉砕した。初回4得点は今季最多タイで2度目だった。試合を優位に運んだ値千金の1発に、指揮官は「本当は2番でと思っていましたが、バッティングコーチとヘッドコーチが6番と。バッチリとハマりましたね」とニヤリ。野村も「追い込まれてからも自信を持って落ち着いて対応することができました。最高の結果になって良かった」と喜んだ。
今季2度目の同一カード3連勝で、貯金を最多3とした。交流戦で3連勝スタートは勝率1位に輝いた19年以来6年ぶり。12球団最多9度目の“優勝”に向け、吉兆発進だ。【只松憲】