
【パース(オーストラリア)4日=佐藤成】日本代表MF久保建英(Rソシエダード)が24歳の誕生日を迎え、世界最高の選手の証である「バロンドール」獲得へ誓いを立てた。今日5日、26年W杯北中米大会アジア最終予選オーストラリア代表戦に臨む。MF三笘らクラブでシーズン出場時間の多かった主軸は選外の中、久保は若手のリーダー役を期待されてメンバー入りした。夢実現のために、W杯での活躍は不可欠。世界一へ駆け上がるための第1歩となる24歳初戦で弾みをつける。
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24歳になった久保が大きな目標をぶち上げた。シーズン最高の名手が手にしてきたバロンドール。欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝など、シーズンを通したクラブでの成績が高く評価されるが、26年は違う。W杯があるからだ。W杯ロシア大会で決勝に導いたクロアチア代表MFモドリッチが18年に受賞した例を挙げてこう語った。
「W杯次第では(候補に)入ってくる選手も日本からいるかもしれない。4年に1度のこの大会だけは、そういったものを覆す部分もあるので、期待をしていきたいなと個人的には思っています」
サッカー選手としての最高の栄誉を受けるには、日本のW杯優勝が不可欠だ。逆に言えば、チームが掲げる目標を達成し、その中心的な存在を担えば、一気に受賞に近づく。「思っていないことは実現しない。それに向けて後はおのおの努力するだけ」。
森保監督も世界一に向けて常々、世界的スターの出現を熱望している。過去を振り返れば前回大会のアルゼンチン代表FWメッシ、前々回のフランス代表FWエムバペなど優勝チームにはチームをけん引する象徴がいる。本番まで残り1年。日本で久保がその立場まで上りつめれば-。
今回は予選突破が決まっており、多くの新戦力を招集。最終予選を主力として戦ったメンバーたちが不在の中、久保に求められる役割は多い。代表では長らく最年少が続いたが、今シリーズは自身と同じ01年生まれ以降が14人も選ばれた。「僕ごときに臆しているようだったら、たぶん代表でやっていけないと思う」。切磋琢磨(せっさたくま)しながら自身も成長する。
世界一の選手に近づくため、24歳初試合がその第一歩となる。「まず勝つことが大前提。僕はいつも通り、サッカーを楽しむだけ」。最高の景色を見るために、日本の至宝は進化を止めない。