
ソフトバンク王貞治球団会長(85)が都内の読売新聞東京本社ビルで3日、取材に応じ、この日に89歳で亡くなった長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督との現役時代の思い出を回顧した。
長嶋氏と王会長は「ON砲」として巨人黄金期を築き、65~73年の日本シリーズ9連覇を支えた。王会長は現役時代の長嶋氏について「グラウンドのプレーだけじゃなくて、やはり人となりというかね。とにかくそういったユーモアがあった部分はあったし、明るいっていうね。だから、長嶋さんなら何でも許されちゃうような、不思議な存在でした」と懐かしんだ。
印象に残っている試合には68年9月18日の阪神とのダブルヘッダーの2試合目(甲子園)を挙げた。王会長は頭部に死球を受け病院に直行。その直後に長嶋氏が35号3ランを放った。王会長はその場面を振り返り「やっぱりもう長嶋さんの思いがそこに結果として出たっていうね。僕はその場では見てないんですけど、僕にとってはすごい長嶋さんのすごさっていうかね、そういう風に思いましたね。やはり、そういう形で随分悔しさを果たしてくれた」と話した。
続けて「やっぱり僕にとっては、そういう僕の代わりに恨みを晴らしてくれることをやってくれる特別な人だったと言えますね」と語った。