
中日井上一樹監督(53)が3日。死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏(享年89)を悼んだ。ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)の練習前に対応した。
「驚きました。日本の宝といわれてもおかしくない方」と話した。
「国民的行事」と言われた94年10月8日の中日対巨人(ナゴヤ)の頂上決戦は、ベンチ入りしていた。打者転向直後で「僕はほんとうにペーペーで、この場にいていいんだろうかぐらいの気持ちだった」と話すが、長嶋監督の胴上げを目に焼き付けた。「僕の中でも財産。今思えば、あの人だったからこそ、日本での一大イベントになったのかなと思います」としみじみと話した。
03年には社会貢献活動が評価され「ゴールデンスピリット賞」を受賞。その受賞会場で長嶋さん、当時ダイエー(現ソフトバンク)監督の王貞治氏から祝福を受けた。井上監督は「『う~ん、井上くん』と、オレの名前をちゃんと呼んでくれている、すごくこちらはドギマギした。光栄ですという思い出が強いです」と、ものまね入りで当時の思いを明かした。
「長嶋さんがつくってくれた野球界を壊すことのないように、さらに盛り上げていけるように精進したい」と、遺志を継ぐ。