
近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた梨田昌孝氏(71=日刊スポーツ評論家)が、6月3日に肺炎で亡くなった長嶋茂雄さんを悼んだ。
◇◇◇
私が本格的に野球を始めた原点は長嶋さんでした。島根県の浜田市立第一中学時代に、サードをやりたくて野球部に入学したのですが、背の高い順に並ばされて、3番目だったわたしはキャッチャーになりました。大変ショックを受けたのを覚えています。
近鉄時代の1983年(昭58)12月に新婚旅行に行ったハワイで、ちょうど名球会のご一行と一緒になりました。ゴルフのメンバーが足りないということで突然、共通の知り合いから招待され、オアフ島のワイアラエ・カントリークラブで、長嶋さん、金田(正一)さん、王(貞治)さんと回らせていただきました。すごいメンバーだったので緊張しましたし、長嶋さんの独特の打ち方には驚かされました。
現役時代は交流戦がない時代ですから、巨人とはオープン戦で対戦するぐらいでした。ホームランを打つと一塁の王さんと、三塁の長嶋さんのところだけは、あえてゆっくり回りました。長嶋さんから「ナイスバッティング!」と、あの甲高い声でほめられたのは、今でも良い思い出です。ご冥福をお祈りいたします。