
<都市対抗野球1次予選宮城県大会:マルハン北日本カンパニー3-2東北マークス>◇1日◇2回戦◇仙台市民球場
昨年2月に発足し、今年から公式戦に参戦するマルハン北日本カンパニーが、3-2で東北マークスを下し、都市対抗野球2次予選東北大会(19日開幕)への切符をつかんだ。
先発林侑之介投手(22=帝京平成大)が、5回6安打7奪三振1失点の力投。千代松広大内野手(22=桜美林大)が6回に決勝の適時三塁打を放って接戦を制した。
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感謝の気持ちを忘れずに力投した。先発林は、初回3者凡退と順調な立ち上がりを見せたが、2回からは毎回ランナーを背負い、制球に苦しんでいた。こういう場面こそ、仲間のフォローが身に染みた。守備交代時には必ず野手を迎え、最後にベンチに戻った。「自分ひとりで野球をしているわけではない、助けられているので」と気持ちを伝えた。4回1死一、二塁のピンチも「大事な1戦で投げさせてもらっていることがピンチでも三振を取ってやるという原動力でした」と、2者連続三振で切り抜け試合をつくった。
計23人の部員で2月に始動してから4カ月。「まだ始まったばっかりですけど、とてもやりやすくて、いい関係でやらせてもらっています」と日々チームワークを深めている。同じ投手出身の館山監督からも「とてもフレンドリーに接していただいて、マウンドでの立ち振る舞いを教えていただいています」と吸収を忘れない。
プロの舞台で活躍する同学年からも刺激を受ける。履正社(大阪)の同学年の楽天内とは高校時代から仲が良く、今でもご飯を共にする。1軍で先発やリリーフで活躍する姿に「全然違うレベルの高い世界で結果を残しているので、見本にするというか、尊敬しています」と目を輝かせながらも「ゆくゆくは同じ舞台で」。その日まで成長を続けていく。
東北大会への切符をつかんだが、まだ道半ば。「東北大会をかけた1戦で勝ちきれて良かったですけど、課題も見えました。持ち味のスライダーを極めて、もっと勝てる投手になっていきたい」。目の前の試合に全力を注ぎ、チームの歴史をつくっていく。【高橋香奈】
◆林侑之介(はやし・ゆうのすけ)2002年(平14年)9月20日生まれ。履正社から帝京平成大に進学。同大ではエースとして24年の東都3部リーグの秋季リーグ戦優勝に貢献し、最優秀投手、最高殊勲選手、ベストナインにも選出された。25年にマルハン北日本カンパニーに入部。170センチ、74キロ。左投げ左打ち。
○…千代松がチャンスを逃さなかった。同点の6回1死二塁、チェンジアップを捉えて右翼へ決勝の適時三塁打。「久しぶりに勝負どころで打てて良かった」とほっとした表情を見せた。館山監督から買われているのは長打力。オープン戦で発揮できなかったが、チーム初の公式戦となった5月のJABA新潟大会で10打数5安打と結果を残し、今大会は5番で起用されている。「これからも一番期待されている打力で貢献していきたい」と意気込んだ。
▽マルハン北日本カンパニー館山昌平監督(44)「どんな形であれ勝つことが求められるトーナメントで、最後1点差まで迫られましたが、勝ち切れたことが全てだと思います。練習も試行錯誤している段階ですが、目の前の目標に向かって、うまくいっているかは別としてチーム全体で成長はできていると思います」