
楽天辰己涼介外野手(28)のバックホームが、球場の空気を変えた。
3点リードの6回2死一、二塁。ソフトバンク栗原が中前打を放つと、素早く捕球して本塁へノーバウンド送球。「ランナーがいて、低い送球をしたいなと思ったんですけど、ちょっとすっぽ抜けたっす。でも結果的に良かったっす」。クロスプレーになったが、捕手太田が二塁走者中村をタッチアウトとし、大歓声が起こった。
4年連続でゴールデングラブ賞に輝き、強肩を武器にする守備の名手だが、今季の補殺はこれが2個目だ。相手チームが辰己の肩を警戒してか、走者をアウトにするチャンスは決して多くない。「(走者がベースを)回ってこないんで、僕も肩が弱くなったっす(笑い)」とジョークを飛ばした。
昨季は全143試合に出場し、158安打で最多安打のタイトルを獲得した。しかし、今季は2軍降格も味わい、打率2割2分1厘と低迷。それでも「やっと目に見えて良くなってきた」と直近5試合は打率3割7分5厘と復調傾向だ。
背番号8は「もう毎日、100%は出せているんで、人を魅了できるようなプレーが攻守ともにできればなと思います」。3日DeNA戦から交流戦がスタート。打って走って守って、グラウンドで暴れ回る。【山田愛斗】