
<ドジャース18-2ヤンキース>◇5月31日(日本時間6月1日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)31日(日本時間6月1日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、二刀流復活後の主戦場となるマウンドに初めて立った。「1番DH」で出場したヤンキース戦前、右肘の手術後2度目となるライブBP(実戦想定の投球練習)に登板。2イニングで29球、最速97マイル(約156キロ)で全球種を投じた。チーム今季最多21安打、18得点で大勝した試合では4打数2安打。本塁打数で月間自己最多の更新はならなかったが、5月を打率3割9厘、15本塁打、27打点の好成績で終えた。
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おそらくこれから、何度も見る光景になるだろう。大谷がドジャースタジアムのマウンドに上がった。午後0時半過ぎ、強い日差しが差し込む中、マイナー選手を相手に腕を振った。打者のべ7人に対して安打性は2本。2イニングを想定し、若手捕手ラッシングのサインにうなずきながら、躍動感あるフォームで全球種を交えて29球。最初に対戦した左打者には、内角をえぐる速球でバットをへし折り、投ゴロに仕留めた。
エンゼルス時代、ドジャースを相手に登板したのは1度。その時はエンゼルスタジアムだった。昨季からド軍に移籍し、二刀流の新章を始める舞台となる。1イニング目はノーワインドアップから、2イニング目はセットポジションでクイックモーションを交えた。6打席目の対戦で初球カーブがワンバウンドし、「あぁー!」と声を上げて悔しがる様子も、投手ならではの姿だ。最後の打者に対しては再びノーワインドアップに戻し、力を込めた。
ロバーツ監督は大谷のライブBP登板を見守り、「一番大事なのは投げ終わった後に問題がなかったこと。彼は、もう少し制球が良ければと思っていたようだが、全体的には非常にポジティブな1日だった」と前向きに振り返った。捕手ラッシングも「すべての球種に自信を持っているようだった。投手として、今後に向けて一番重要なこと。打者と対戦すればするほど、試合に向けた準備もしやすくなると思う」とコメント。球宴後の復帰に向けて、着実に前進している。
その後の試合では第1打席の右前打から打線を勢いづけ、初回に4得点。チーム今季最多21安打、18得点でヤ軍を圧倒し、ロバーツ監督の53歳の誕生日に花を添えた。大谷はこの日は4打席で終え、途中交代。少々お疲れモードだったのか、試合後は足早に球場を後にした。投打の二刀流はリカバリー(状態の回復)が最優先。昨季ワールドシリーズの再現となったカード3連戦の最終戦に向け、万全の状態を整える。