
<高校野球春季近畿大会:東洋大姫路1-0智弁和歌山>◇1日◇決勝◇さとやくスタジアム
智弁和歌山は、昨春から3季連続の近畿準優勝で大会に幕を閉じた。東洋大姫路と昨秋決勝以来の対戦で無失策の安定感ある守備を誇ったが、打線は9安打無得点だった。
先発の最速152キロ右腕・宮口龍斗投手(3年)は「意味のない失点だった」と0-0の3回1死三塁の一ゴロの間に三塁走者が本塁に生還で先制点を喫し、1点を追う流れに。
「あそこで1本出るか、出ないか。(今春センバツ)決勝の横浜戦で、タイムリーの有無が現実としてつきつけられていた」と中谷仁監督(46)。4回以降の攻撃では5、7、9回に二塁走者を置いたが、ライナーやゴロに倒れた。「2位は嫌。1位にならないと。あそこのチャンスで、やるべきことをやって、ヒーローになりにいかないと」とナインへハッパを掛けた。
「リベンジするチャンスで、勝ちたい気持ちは普段よりも強かった」。5回から2番手で登板のエース、渡辺颯人投手(3年)は4回1安打無失点と好投。登板前には、2回2死一、二塁で宮口たちの元に伝令へ。「勝ちきれなかった。まだまだチームに足りない部分がある。野球も学校の部分においても隙のないチームが、最後に優勝する」。県大会開幕まで残り約1カ月。今春涙をのんだ甲子園決勝の舞台へ舞い戻るべく、わが身を見つめていく。