
<日本ハム4-1ロッテ>◇30日◇エスコンフィールド
堂々たる投球だった。日本ハム達孝太投手(21)がロッテ戦(エスコンフィールド)に先発。プロ入り後、自己最多となる114球を投げ、6回2/3、5安打無失点に抑え、今季2勝目を挙げた。投打がかみ合い、首位を走るチームは再び貯金を7とした。
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近未来のエースの快投に、もう誰も驚かなくなった。今季3度目の先発となった達は当たり前のように初回からスコアボードにゼロを並べていった。3連戦初戦の先発は4年目で初めてとなったが、「意識してなかったです、そんな」と笑い飛ばした。NPBではエース級が投げることが多いカード頭だが、メジャー志向の21歳は「そうなんですか、へぇ~」。変なプレッシャーはなかった。
変な遠慮もない。今季は35歳の伏見とバッテリーを組んでいる。学年では13個上の大先輩からのサインにも臆せず首を振る。「バッテリーミーティングで山田コーチが『全然(伏見)寅威のサインに首振っていいからね』みたいな話をされるんですけど、寅威さんが『いや、こいつ平気で首振るんで』っていう掛け合いが毎回あります(笑い)」。自分を信じ切れるところが達の魅力でもある。
18日にも対戦したロッテ打線に、自信を持って投げているフォークが効果的だった。先制点をもらった直後の6回。先頭の山本に二塁打を打たれたが、続く友杉は高めの変化球でバント失敗を誘い、最後は低く落としたフォークで空振り三振。藤原には初球でフォークをストライクゾーンに落として見逃しからの最後は150キロ直球で見逃し三振を奪うなどして、ピンチを切り抜けた。
前回対戦ではフォークが「45%ぐらいあった」。偏った数字でも7回無失点と好投できたのは「自分的には簡単なんで」とフォークを意図的に投げ分けられるから。「フォークは見逃されたら四球の確率が上がるので、ちゃんとゾーンに投げとかないと」。この日は7回無死一塁、ソトに粘られながらも13球目のフォークを落として空振り三振。1死一、二塁からのポランコには真ん中のフォークで二ゴロ。最後まで力強くボールを握りきってプロ最多の114球に達し、6回2/3を5安打無失点で降板。近未来エースに送られた場内からの大きな拍手は、今後の大飛躍を予感させた。【木下大輔】