
オーストリア1部ザルツブルクへ完全移籍するセレッソ大阪FW北野颯太(20)のラストマッチが、6月1日清水戦(ヨドコウ)と正式に発表された。
4月29日町田戦で左脚を負傷した背番号38は、その後の公式戦7試合で先発は1度だけ。プレータイムが制限されたのは、体調が100%ではないこと、この期間に同時進行していたザルツブルクとの移籍交渉へ、パパス監督が一定の配慮をしていた可能性もある。
いずれにせよ、清水とのラストマッチも先発かは微妙だが、少なくとも途中出場は確実。小学4年からC大阪で育った20歳は、この12年間の思いを込めてプレーすることになる。
最終戦の相手が、清水というのも何かの縁か。高校3年に進級前の22年2月にプロ契約を結んだ北野は、同年4月までの数カ月間、当時同僚だったMF乾貴士(36)と4試合に同時出場している。
その後に清水へと移籍した乾だが、今もC大阪のレジェンドに変わりはない。体調に問題さえなければ移籍後、古巣との初対戦に先発してくるはずだ。
現在もC大阪の大黒柱を務めるレジェンド、MF香川真司(36)も5試合連続先発中という疲労を考慮され、途中出場の可能性はあるが、ベンチ入りは間違いない。
さらに1年前、C大阪からオランダ1部AZアルクマールへ完全移籍したDF毎熊晟矢(27)が、来場することも決定。
今年1月に現役を引退した元FWの柿谷曜一朗さん(35)が、イベントのために来場することも決まった。
クラブ関係者は「すべてが偶然」というものの、香川、乾、柿谷のレジェンド3人に、偉大なクラブOB毎熊に見送られ、北野は欧州へと旅立つ。これは、選手冥利(みょうり)に尽きる舞台設定だ。
今季は開幕5試合で4ゴールを挙げた北野だが、その後は欠場した試合を含めて14試合ノーゴール。守備での貢献度は誰もが分かっているが、サポーターは惜別弾が見たいだろう。
今季はVARの判定による劇的な試合が多い本拠地「ヨドコウ劇場」。6・1は北野が主役になり、ドラマが起きそうだ。