
指揮官がハッパを掛けた。J2仙台は31日に札幌戦(キューアンドエースタジアムみやぎ)を迎える。現在9勝5分け3敗、勝ち点32で3位を走るが、森山佳郎監督(57)はさらに上を目指すべく、選手たちに練習から100%を出し切るよう求めている。鍵は守備陣。4戦ぶりのホームで連勝をつかみとる。
◇ ◇ ◇
昨季はJ1にいた相手との一戦。練習後の円陣で、森山監督は「情熱をもってやっていかないと。練習で出せないことは試合で出せるわけがない」と、イレブンたちへ熱く訴えた。
練習から100%を出し切るよう求める。理由は明快だ。「選手たちはそんなつもりはないと思うんですけど、ギリギリの試合をしていて1%でも2%でも何かが欠けると、勝負は向こうにいってしまう状態なので、その気持ちを持たないと痛い目あうよというところ」と説明した。
前節までのアウェー3連戦を1勝1分け1敗。前節、いわきとの東北ダービーは2-1と接戦を制したが「『勝てた』とは言い切れないような試合。次の札幌、選手の質とか向こうの方が上で、上回れるはずの部分で上回らないと、向こうの質が出てしまう」と手綱を締めた。札幌は、ワンツー、サイドチェンジなどシンプルな技術が高いと評価する。「隙を与えるとやられてしまう相手なので、いかに相手が嫌がるプレーができるかがひとつのキーワード」と攻略法を挙げた。
カギは守備にある。今季全試合先発出場のセンターバック、DF井上詩音(25)が警告累積により出場停止。同ポジションの経験があるDFマテウス・モラエス(24)は「どの選手が彼の代わりに入ったとしても共通認識をさせてもらいながらいい仕事を見せる。それが僕だったとしても、責任を持っていい仕事をしていきたい」と力強い。
前節残り10分で投入されたDF高田椋汰(24)は「前節では簡単にクロスを上げられてしまって、悔しい時間でした」と反省し、こう続けた。「1対1で競り負けないように。ひとりひとりベガルタのエンブレムを背負っている以上、ピッチで戦うだけなので、全員で勝ちに向かってベクトルを合わせていきたい」。札幌撃破へ、一丸で立ち向かう。【高橋香奈】