
J3からの復帰1年目で17位に沈むJ2カターレ富山は27日、小田切道治監督(46)が退任し、J1横浜F・マリノスのアシスタントコーチを務めていた安達亮氏(55)が新監督に就任すると発表した。同氏は2018~20年に監督を務めていた。
公式サイトで代表取締役社長の左伴繁雄氏が声明を発表。交代理由と招聘(しょうへい)の理由を説明した。
小田切監督の退任については「2022シーズン終盤より監督として指揮をお願いして参りましたが、一昨日行われました天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権1回戦順天堂大学戦をもちまして退任いただく決定をいたしました」と報告した。約1カ月ぶりの公式戦白星をつかんだものの、大学生を相手に先制されて0-1で前半を折り返し、後半の2得点で辛くも逆転勝ちを収める展開だった。
続けて、今回の人事に関して「リーグ戦12戦勝ちなしという今般の戦績によるもので、看過できる限度を超えたとの認識に立ったものです」と厳しい姿勢を示した。
「ただし、走力、球際、切り替えの競技性3原則を高いレベルで維持し、結果には必ずしも結びつきませんでしたが、失点の少ない熱量のあるサッカースタイルを構築された功績は、決して色あせるものではありません。クラブとして最大限の感謝と敬意を表したいと思います」
後任に、元監督の安達氏を招請したことには「以下のことを留意いたしました」と強調した。
・2018シーズンより3シーズン在籍していることから、既にある程度チームやクラブ事情を知り得ており、円滑な交代が見込めること。
・安達氏在籍時のチームは、現在の予算規模の半分以下ながら「平均15本/試合」以上のシュートを放ち、バイタル(エリア)進入回数、得点数も多い攻撃型であったことから、チームの最重要課題ある「得点力不足」改善が期待できること。
・豊富なアカデミー年代の育成経験を持ち、個々の強みを生かしながら代表クラスの選手も輩出している実績から、有望若手の多い当クラブに相応しいキャリアを有していること。
・フロント強化部での実務経験や複数クラブでの監督経験から、いわゆる「業界で顔の利く」存在として、スカウトや補強面での手腕も当クラブでは貴重なこと。
・裏表がなく、筋と情の使い分けバランスが程よく取れており、人として信頼できること。
・社長として20年以上、彼を見てきており、今のチームを浮揚させるに足る力量を持っていると、決裁権者である私自身が得心していること。
その上で、前任に対しては「最後に、小田切監督は選手終盤時代からアカデミー、トップチームとカターレ富山一筋でクラブに貢献してくれました。こうしたキャリアを通じて、強度と熱量のある守備力の高いチームを作り上げてくれました。今後はその経験をベースに、新たなクラブでキャリアを積みながら、指導者としての幅を広げていくことを願ってやみません」と感謝した。
巻き返しへ「リーグ戦も残り22試合。安達新監督の下、反攻ののろしをあげて臨んで参る所存です。ファンサポーターの皆さま、カターレ富山をご支援いただいている全ての皆さま、今後ともどうかよろしくお願いいたします」と左伴社長は締めくくった。