
巨人は広島戦(富山)の試合前日の26日に富山入りした。東京駅から北陸新幹線「かがやき」に乗車し、約2時間強で富山駅に到着した。都内とほぼ同じ気候に感じた。日も沈み、やや肌寒い。南東方向には立山連峰の雄大な姿が望む。年配のタクシー運転手さんが「正面は標高2400メートルぐらいの毛勝山だ。その右の一番高くてとがったのが剱岳だ。かっこいいだろ。いつもはなかなか見えないけど、今日はよく見えるな」と教えてくれた。
タクシー運転手さんの話が止まらない。「明日はプロ野球の試合か。お客さんはプロ野球選手か?」と唐突の質問はやんわり否定した。43歳、学生時代まではスポーツに精進するも今は中肉中背体形だけに、悪い気はしない。話は続く。「プロ野球がくるとなぜがいつも雨が降る。明日は大丈夫だ。いい天気になるぞ。雨は大丈夫だ」と天気の心配はなさそう。続けて「アルプススタジアムは田舎だぞ。田んぼの真ん中にぽつんと球場をつくった。とにかく田舎だぞ」と球場周辺情報まで。こちらからの質問は皆無だったが10分程度の乗車にとてつもない情報量が詰まっていた。
東京駅で「かがやき」乗車前は巨人阿部慎之助監督(45)の“親心”を垣間見えた。5分程度の取材で開幕前のオープン戦で右大腿(だいたい)二頭筋を負傷し、約2カ月間の離脱していた丸佳浩外野手が27日の広島戦(富山)から1軍合流することを明かした。
スタメン起用かとの問いには「どうだろうなぁ。エリちゃん(ヘルナンデス)次第かな。もろにふくらはぎに当たってるから。(これまでにその後に無理して)肉離れしている選手を見てるから」と話した。
25日のヤクルト戦で左ふくらはぎの自打球を受け大事を取って途中交代させたヘルナンデスの状態を気遣った。
一方で久しぶりに1軍復帰となる丸に対しても気遣いを見せた。「(チームにとって)マイナスなことは一切ない。ただ試合勘がどうか。スタートで使いたいけど、はりきりさせたくないから。現場サイドとしては、今週は5試合だし、この1週間終わったら交流戦入るし」と丸のコンディションを最重要視した。
チームは今季最多の5連勝中で貯金5まで積み上げた。首位阪神に0・5ゲーム差と肉薄。交流戦前は残り5試合。広島2連戦の富山は井上、金沢は山崎が先発マウンドに上がる。北陸での2連戦後は金沢から日本海側を通り敦賀から名古屋入りする予定。30日からの中日3連戦(バンテリンドーム)は赤星、グリフィン、戸郷で交流戦前最終カードを締めくくる。【巨人担当・為田聡史】