
<とっておきメモ>
<阪神4-0巨人>◇20日◇甲子園
才木らしい言葉だった。今季難病から1軍復帰した湯浅京己は、かつてリハビリ期間をともにした間柄だ。昨季の球宴前にはカーペットショー用の白い衣装をともに買いに行くなど、普段から仲の良い後輩。今回の復帰を受け、どのような声をかけたのかを尋ねた。
「『うぇーす。よろしくー』ぐらいです」
冗談めかして聞こえるが、言葉の真相はおちゃらけでも照れ隠しでもなかった。自身も過去には右肘のトミー・ジョン手術を経験。約2年間のリハビリ生活を送った。特別な言葉をかけなかったのは、心情が分かるからだった。
「自分がリハビリ終わって上がった時に周りから『頑張ったな、絶対しんどかったよな』みたいに言われたいと思わなかった。その苦労は本人にしか分からないから。一緒に野球できるのが一番。特別な言葉はいらないと僕は感じるタイプなので」
短く軽いあいさつには、才木からのエールが詰まっていた。【阪神担当 波部俊之介】