
<阪神4-0巨人>◇20日◇甲子園
阪神森下翔太外野手(24)が巨人戦4試連発となる決勝の7号2ランを放った。初回1死一塁。巨人戸郷の145キロ直球を完璧に捉えて左翼スタンドへ運んだ。阪神では99年ジョンソン以来、26年ぶりとなる巨人戦での4試合連続本塁打。掛布&岡田のレジェンドが見守る聖地で、若虎が躍動した。チームは3連勝。2位広島とは1・5ゲーム差と変わらないが、今季最多の貯金7とした。
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森下は笑みをこぼした。両手でバットを握ったまま高く上がった打球の行方を見つめ、ゆっくり歩き始めた。バットを置き一塁を過ぎた後、阪神ベンチをチラ見してにやり。ファンが初回から大盛り上がりする中でダイヤモンドを1周した。
「初球のカーブをいい形で見逃せていたのでゾーンだけを意識して打った」
初回1死一塁の1ボールから先発戸郷の内角低め145キロ直球を振り抜き、左越えの先制7号2ラン。「初回の3点がすごく大きかったと思うので先制点を大切にしていきたい」。同右腕からは対戦した2試合連続で、99年4~5月のジョンソン以来、球団26年ぶりの巨人戦4戦連発。テレビ中継でダブル解説を務める掛布OB会長、岡田オーナー付顧問が見守る前で大きな1発を放った。
前回5日からの敵地3連戦では、初戦に同右腕から同点ソロを放った。2、3戦目はともに2ランで計14打数8安打、3本塁打、9打点。今季は巨人戦10試合で打率4割5厘と得意としている。チームも10回戦の時点では球団初となる8勝。藤川監督は「特に思い入れが強いカード。タイガースの先輩からずっと教わってきたものがありますから」。森下はこの日も7回に中犠飛で貴重な追加点も入れて勝利に貢献し続けている。
森下は活躍した試合後にもほとんど毎回反省点を口にする。打撃面で完璧な日はない。「修正点は毎日ある。完璧なんてない。毎日のように試合があるのでそこは変わらない」。特に打つ姿勢やタイミングの改善を継続。この日も「ホームランの打席は良かったが他の打席は内容が良くないし納得していない」と反省した。
チームは今季最多の貯金7。2位広島と1・5ゲーム差で首位をキープする。この日も含めてリーグ最多7度の決勝打を放つ虎の3番。V奪回へライバル巨人との一戦でまた強さを見せつけた。【塚本光】
▼森下が5月5日の7回戦から巨人戦で4戦連発。巨人戦で4試合連続本塁打は23年20~23回戦の末包(広島)以来で、阪神で4試合以上は68年8~11回戦のカークランド、73年1~5回戦の田淵(5試合)76年17~20回戦の田淵、82年10~14回戦の掛布(5試合)91年1~4回戦の八木、99年2~5回戦のジョンソンに次いで6人、7度目。今日の試合で19年14~18回戦のバレンティン(ヤクルト)まで7人がマークした5戦連発の記録に挑戦する。