
<WEリーグ:新潟L2-2広島>◇17日◇第22節第1日◇デンカビッグスワンスタジアム
アルビレックス新潟レディース(L)はホームで迎えた今季最終節で5位広島と2-2で引き分け、4位でシーズンを締めくくった。1-2の後半追加タイム1分、高卒ルーキーDF横山笑愛(18)の2試合連続ゴールで同点に追いつくも、直後にPKを献上。負ければ5位転落の絶体絶命を迎えたが、女子日本代表GK平尾知佳(28)がビッグセーブでしのいだ。
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タイトルはかかっていなくても、絶対に4位でシーズンを終える-。ピッチに立つ11人だけでなく、ここまでともに戦ってきたチームメート、スタッフ、そしてサポーターの思いが新潟Lの守護神に乗り移った。
広島との勝ち点差は「3」。負ければ得失点差で2点上回るライバルに順位をひっくり返される一戦で、新潟Lは1-2の後半追加タイム1分に横山が起死回生の同点弾を決め2-2に追いついた。「これで4位は確実」。誰もがそう思った直後、DF山谷瑠香(30)が相手を倒してPKを献上。4位死守へ絶体絶命の場面となったが、平尾は「(キッカーより)先に動かないことを意識しよう」と冷静だった。
主審のホイッスルが鳴ってもドンと中央に構え、10代から各世代別女子日本代表で共闘する広島MF上野真実(28)のキックを左に飛んでストップし、大事にボールを抱え込んだ。「GKを見てキックの方向を直前で変える選手。うまく我慢できた」。チームを救う今季公式戦4度目のPKストップ。試合後は「PKは苦手なんですけどね(笑い)。イエ~~~イ」とサムズアップで満面の笑みを見せた。
「本気でタイトルに挑む」をスローガンに戦った今季は皇后杯で準優勝。リーグ戦は12勝4分け6敗の勝ち点40で昨季と同じ4位フィニッシュとなった。来季はどうやってトップ3の牙城を崩すのか-。守護神・平尾は「落としてはいけない試合を落としてしまっていた。そこをどう勝ちに持って行くか。一発勝負のカップ戦も含め、もっと細部にこだわって練習する」。さらなる飛躍を誓った。【小林忠】
○…0-1の後半29分、途中出場のFW道上彩花(30)が左クロスをヘディングで合わせた。「イメージ通り。ボールが来た瞬間にコースが見えた。(軌道は)止まって見えた」と自画自賛した。「勝てなくて残念だけど、来季につながる戦いはできたと思う」と振り返った。
▽新潟L橋川監督「足りないところがあるから引き分けたけど、うちの選手の精神力は強いよね。できることが増えたからこそ、打ち合いもできるようになった。攻守両面で最後まで勇敢に戦ってくれた」
◆退団選手あいさつ
FW石淵萌実(29・未定) 「6年半、サポーターの声援に背中を押されました。成長し、また、ここ(デンカS)に戻って来ます」
FW武田あすみ(24・現役引退) 「サッカーを始めて20年は多くのケガとの戦いでしたが、幸せなサッカー人生でした。応援ありがとうございました」
MF白井ひめ乃(24・未定) 「12年半という人生の半分を過ごした新潟を離れる実感はまだ沸いていませんが、サッカー選手としてさらに成長して来ます」
DF浦川璃子(27・現役引退) 「思うような活躍はできませんでしたが、自分を認めてあげたいと思います。現役を引退しても自分らしく、何事にも全力で頑張ります」