
<阪神2-4広島>◇16日◇甲子園
阪神が広島との首位攻防3連戦の初戦に競り負け、首位から陥落した。
7回に同点に追いついたが、9回に守護神の岩崎優投手(33)がまさかの2失点で今季2敗目を喫した。それでも低調だった打線は底入れ気配。17日に反撃し、首位を再び奪回する。
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この熱気がほしかった。0-2の7回。猛虎打線にやっと火がついた。苦しめられてきた広島森下から先頭の佐藤輝が左前打。「よかったと思います」。さらに不振の大山も左前にライナーの快打を浴びせた。5番打者に22打席ぶりの安打が飛び出すと、甲子園の雰囲気は最高潮になった。
6番前川も続く。鋭く一、二塁間を破ってまず1点。まだまだ本調子には遠い21歳は「みんながつないでくれたので、感謝したいです。ちゃんと脳内を整理していけました。日々頑張るだけかなと思います」と冷静に話した。阪神はこれが11日の中日戦(甲子園)の初回以来、35イニングぶりの適時打だった。
まだ終わらない。坂本の犠打をはさんで、木浪も中前にガツン。前の試合で20試合ぶりにスタメン復帰した男が、意地の同点打。4月12日以来の打点で「復活」を印象づけた。2-2として森下をこの回で降板させた。勝ち越し、サヨナラの機運が高まったが、最後はため息で終わった。
大山は「チームが勝つような一打を打てるように、頑張ります」と口元を引き締めた。投手の踏ん張りが続く中、得点力の回復が待たれる。7回に見せた攻撃が、兆しとなるか。【柏原誠】