
<ドジャース19-2アスレチックス>◇15日(日本時間16日)◇ドジャースタジアム
ドジャース大谷翔平投手(30)が今季初の1試合2本塁打を放ち、メジャートップタイに並んだ。
◇ ◇ ◇
大谷が影響を与え、与えられる-。今季最多19得点を奪ったドジャース打線に、相乗効果が見えた。8番アウトマンは6回、2号本塁打をマークした。以前まで右足を上げてタイミングをとっていたが、13日のアスレチックス戦から“大谷モデル”のノーステップ打法に変更。「いろんな選手のフォームを見て、ショウヘイは本当にうまくやってるなと。彼のフォームを参考にしてみようと思った。あの形だとバランスが取りやすい」と明かした。
23年に23本塁打を放ち、期待される若手の左打者だが、今季はマイナーで開幕。メジャー昇格した6日以降も、打撃面で苦しんでいた。「彼の映像を見て、室内ケージでもスイングを参考にしている」。練習から取り入れてこの日は2安打を放ち、「感触はいいし、ボールもよく見えている」と手応えを口にした。ノーステップ打法は金慧成(キム・へソン)も春キャンプ中に導入。大谷の打撃スタイルがチーム内、特に若手の左打者に浸透し、下位打線が活気づいた。
すると、大谷にも好影響が出た。ロバーツ監督は試合後、「最近は金が出塁してくれることで走者がいる状態になり、ショウヘイも打ちやすくなる。スピードがプレッシャーを生み、盗塁もできるし、(安打で)一気に一塁から三塁へ進むこともある。そのダイナミックさが、上位打線の攻撃の幅を広げてくれる」と分析。相乗効果を指摘した。
俊足の金が塁上にいると、盗塁や暴投での進塁を警戒し、相手バッテリーは低めにワンバウンドが投げづらい。大谷を打ち取る効果的なボールが減る。「ベースボール・サバント」によれば、4月は大谷に対しワンバウンドが全投球の3・8%だったのに対し、5月は1・6%。サンプル数の違いはあるが、減少傾向にある。打撃好調は、同僚の後押しも要因にある。【MLB担当=斎藤庸裕】