
<ドジャース19-2アスレチックス>◇15日(日本時間16日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)15日(日本時間16日)=斎藤庸裕】期待通りにドジャース大谷翔平投手(30)が主役となった。アスレチックス戦に「1番DH」で出場し、2打席連続本塁打を含む5打数2安打6打点。本塁打は今季15号に達し、メジャートップタイに並んだ。この日は来場者に昨季の「50-50(50本塁打&50盗塁)」達成を記念するボブルヘッド(首振り人形)が配布され、5万1272人が駆けつけた。自身の「ボブルヘッドデー」では3戦連発。今季最多タイ18安打で今季最多19得点と大爆発した打線をけん引した。
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次々と快音が響くお祭りの主役はやはり、大谷だった。5点リードの3回1死一、二塁、アレクサンダーの外角チェンジアップを捉えた。2ボールから強振してもいい状況だったが、ミートを心がけたような振り方でコンタクト。それでも、左中間スタンドへ届いた。2発目は4回1死一塁、真ん中のツーシームをフルスイング。今度は角度21度のライナーで、打撃のお手本のようなセンター返し。打球は伸びながら、中堅フェンスを越えていった。
「MVP! MVP!」の合唱に沸くスタジアム。試合後、中継局のインタビューで2本のアーチの感触を語った。「(1本目は)あの段階ではまだ試合が分からなかったので、突き放すのにいいホームランだったなと思ってます。(2本目は)低い弾道でしっかりと伸びるような打球だったので、いいバットの出方だった」。4月末から状態が徐々に上がり、5月は13試合で8発と量産態勢に入り、本塁打数でフィリーズ・シュワバー、ヤンキース・ジャッジと並ぶメジャートップタイとした。
好球必打と思い描くスイング軌道のイメージが重なれば、必然的に本塁打が出る。無双状態の特徴でもあるが、「打席のクオリティーを少しでも上げながら、終盤にもっともっといい状態で突入できれば」と、向上心が尽きることはない。この日は自身のボブルヘッドデーとして開催され、主役として期待される一戦で今季初の1試合2発で今季最多6打点と躍動。「50-50」を達成した昨年9月19日のマーリンズ戦(3打席連続アーチを含む6打数6安打10打点)を思い起こさせる活躍ぶりだった。
不思議なパワーが後押しするのか、昨年の8月末からボブルヘッドデーで3戦連発。今季最高のパフォーマンスで5万1272人の大観衆を魅了し、「たまたまだと思いますけど。こうやってお客さんが入ってくれている中で、選手にとってもうれしいことなので。いつでも、ボブルヘッドデーじゃなくても、勝てるように頑張りたい」と、さらなる活躍を誓った。打線をけん引し、18安打&19得点で大勝。誰がヒーローになってもおかしくないショータイムで、大谷が輝きを放った。