
24年12月に健康上の理由で阪急阪神ホールディングス会長を退任していた角和夫(すみ・かずお)さんが亡くなったことが7日、分かった。76歳だった。
角さんは、阪急HDと阪神電気鉄道が経営統合して06年に発足した阪急阪神HDの初代社長に就任。経営効率化を進めながらグループの収益力を高めてきたが、24年12月に阪急阪神HD会長を退任。今春には関西経済連合会の副会長も退任し、財界からも退くことに決まっていた。
05~06年に投資会社「村上ファンド」が阪神電気鉄道、阪神百貨店の株式買い占めを行った際、角さんは06年の阪神電鉄と阪急HDとの経営統合を押し進めた。当時、球界では阪神タイガースの親会社の変更ではと議論となったが、阪急HD社長だった角さんが「タイガースは従来通り阪神電鉄のもの」と主張した。
角さんは、早大の後輩でもある岡田彰布氏(現阪神オーナー付顧問)の、23年シーズンからの阪神監督復帰を後押しした存在でもあった。
昨年10月に岡田氏の後任候補として、現阪神監督の藤川球児氏(44)の名前が挙がった際には「立ち話程度だけど、しゃべっていても分かりますよね。野球はやっぱり頭が大事。常識もあるし頭もいいし、人柄もいい。いい方だと思います」と人柄を賛辞。岡田氏の功績についても「安定してペナントレースで優勝に絡めるような球団にしてほしい、とお願いしました。結果として岡田さんに頼んだのは正解だった」と振り返っていた。