
<巨人1-7阪神>◇6日◇東京ドーム
阪神中川勇斗捕手は、俯瞰(ふかん)する力を武器として持ち続けている。
高校時代に試合でマスクをかぶっていた頃は洞察能力は天下一品。投球直前まで打者の素振りに目をこらし、スイング軌道をリードの参考にした。プロ入り後は昨季、2軍で打率3割2分1厘。ファンから1軍昇格を期待する声が上がり続けていた中、本人だけは冷静だった。オフに京都国際の岩淵コーチと再会した時は「力不足だから、力をつけて1軍の舞台に上がれるようにします」ときっぱり。自身を客観視して課題をつぶしてきた。
昨秋、今春のキャンプは本職ではない外野守備練習に汗を流した。2軍施設で居残る姿もあった。「もう必死にやって、取れるアウトをしっかり取って…。投手の方も一生懸命やっているので、自分も一生懸命やっていかないといけない」。この日は左翼で華麗なダイビングキャッチ、スライディングキャッチも披露。走攻守で着実に進化している。【阪神担当 塚本光】