
<西武0-10ソフトバンク>◇6日◇ベルーナドーム
ソフトバンクが14安打10得点の大勝で、連勝を今季最長タイの5に伸ばした。初回に打者一巡で一挙4得点。1番の野村勇内野手(28)が二塁打で口火を切り、開始早々試合の流れを引き寄せた。野村はプロ初の4安打。故障離脱した周東佑京内野手(29)の代役リードオフマンが猛攻を呼び込んだ。ゴールデンウイークをはさむ9連戦は5勝3敗。残り1戦を残して勝ち越しを決めた。
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タカ打線が打ちまくった。ゴールデンウイーク最終日はお祭り騒ぎ。敵地ベルーナドームで、わが庭のごとく打線が爆発だ。小久保監督も「初回で有利に進められましたね」とニンマリ。猛打の口火を切ったのは4年目の野村だった。
「1番遊撃」でスタメン出場し、初打席で右翼越え二塁打。「1番が打つとチームも乗ってくる。消極的にならずどんどん振っていく意識でした」。9人攻撃で一挙4得点の猛攻を呼んだ。第2打席以降もバットは止まらず、プロ初4安打の大暴れ。「右腓骨(ひこつ)骨折」で離脱している周東の代役リードオフマンが14安打10得点の打線を引っ張り、今季最長タイ5連勝へチームを導いた。
猛打賞はプロ1年目だった22年以来3年ぶり。同年は10本塁打&10盗塁のホープだった。一転して23、24年は出場試合数が激減。指揮官が「我々にも責任がある」と話した上で「あんなに能力あるのに。1年目に10本打った後になんで野球下手になんねん」と気にかける逸材である。
社会人卒で勝負の4年目。昨年の6月、第2子が生まれた。3歳の長女・珠亜(みあ)ちゃんとともに守るべき家族が増えた。同年12月のハワイV旅行で、2人の子どもをあやしながら「かわいいやろ。ほんまに癒やされるから」ととびきりの笑顔。前日の「こどもの日」も初回に左翼線二塁打。一家の大黒柱は、レギュラー奪取へ奮闘している。
主力が大量離脱の異常事態で、小久保監督は「主力が戻ってきた時にすぐ(スタメンを)明け渡すようではつまらんぞ」とナインにハッパをかけていた。野村は打率4割4分4厘、2本塁打、2打点。指揮官に「今のところ野村勇は外す理由がない」と言わしめた。正遊撃手の今宮が抹消された時、今宮が自ら「勇はやりますよ」と太鼓判を押した。9連戦は勝ち越し決定。目覚めた野村が導いた。【只松憲】
ソフトバンク広瀬隆(5回の左前適時打に)「とにかく自分のスイングをすることを考えました。タイムリーと、結果を出すことができてよかったです」