
<高校野球春季神奈川大会:横浜7-2相洋>◇5日◇準決勝◇横浜スタジアム
センバツ優勝の横浜がボクシング世界4団体統一スーパーバンタム級王者“モンスター”井上尚弥(32=大橋)から学び、相洋に7-2で勝利し、7年ぶり28回目の関東大会出場を手にした。同点で迎えた5回に、無死満塁から小野舜友内野手(2年)の右越え2点適時打などで5点を挙げて試合を決めた。東海大相模は三浦学苑に11-1、7回コールド勝ち。決勝進出の2校は、春季関東大会(5月17日開幕、茨城)に出場する。
◇ ◇ ◇
勝利にも笑顔はなかった。2点ビハインドで迎えた4回1死二塁から伊藤の右越え2点本塁打で同点に追い付くなど、新戦力の活躍に、投手陣も継投で勝利をものにしたが、反省の多い試合だった。村田監督は「バントの失敗にサインミス。楽な展開に持ち込めたはず」と、一瞬のスキも許さなかった。
頂点を目指す思いは、世界4団体統一王者の井上尚弥から学んだ。準決勝前の4月下旬、同校OBで村田監督と親交が深い大橋ジム大橋秀行会長の紹介で、渡米直前の井上のスパーリングを選手4人と見学した。「チャンピオンがチャンピオンであり続けるためには、というものを学びたかった」。センバツ優勝後の気持ちを引き締めるためだった。
選手たちは井上のスパーリングに圧倒された。エース奥村頼は「ひと言も話せなかった」と、世界戦を直前に控えた緊張感を肌で感じた。しかし、そこで学んだのは基本の大切さ。村田監督は「井上さんは基本に忠実。基本をどこまで磨けるのか、努力の積み重ねでした」。奥村頼も「基本に戻って終わるのが翌日につながる。自分もこれから基本を見直したい」と、6日の決勝戦に向け気を引き締めた。
基本の大切さを王者から学び、上を目指す。まだまだ横浜は強くなる。【保坂淑子】