
<DeNA1-3巨人>◇4日◇横浜
きっしゃんがチームに追い風を吹かせた。2点リードの6回1死。巨人岸田行倫捕手(28)はDeNA東の真ん中に入ってきた直球を強振した。左中間スタンド最前列に飛び込む今季1号ソロに「何とか塁に出ようと必死にいきました。いい風が吹いてくれました」。前日の完封負けとは一変。貴重な1発にベンチのムードも最高潮となった。
待ちに待った出番が回ってきた。ようやく巡ってきた今季初スタメンのチャンス。「なかなか出場機会が少ないので、(試合に)出た時にしっかりやらないといけないプレッシャーはありますけど。それをいい緊張感に変えてやれている」との言葉通り、攻守で躍動した。打っては4打数2安打2打点。捕手としてもグリフィンを6回無失点の好投に導いた。阿部監督も「ナイスリードでしたね。あのホームランもね、自分も楽になったじゃないですかね」とたたえた。
球界屈指の捕手である甲斐の加入をプラスに捉える。試合前の捕手ミーティングや試合中の言動、行動を観察。勝負どころで腹をくくる配球を参考にした。「こっちが(リードを)主導している側なので、迷っている場合ではない」と岸田。4人の投手を巧みにリードした。
チームは再び単独首位に躍り出た。岸田は「今年初めてのスタメンで、すごい緊張感の中で試合に挑んだんですけど、まずは勝てたことが良かったですし、チームに貢献できるバッティングができたので、引き続き継続していきたい」と力強かった。きっしゃんは頼りになる。【水谷京裕】