
<明治安田J1:鹿島1-0町田>◇3日◇第14節◇カシマ
鹿島アントラーズFW田川亨介(26)がホームFC町田ゼルビア戦で移籍後初ゴールを決め、チームを今季2度目の4連勝に導いた。
背番号11に待望の得点が生まれた。前半39分、自陣でMFチャブリッチが自陣から持ち運び、左サイドのFW鈴木優磨に展開。オーバーラップしたDF安西幸輝がボールを受けると左足クロスを供給し、ゴール前で田川が合わせてゴールネットを揺らした。多くの人が連動したビューティフルゴールだった。
「パスコースが最後見えて、幸輝くんと目があったので、絶対来るというのを信じて入って、いい当て感でいれられたかなと思います」
好連係をしっかりと締めくくった。昨夏加入したが、負傷もありここまで無得点。「本当にずっと苦しい時間を過ごしてきたし、今年もなかなか取れなくてずっと悩んでたんですけど、この1ゴールというのはすごく自分の中でも特別ですし、これからさらに波に乗っていけるようにやっていきたい」とかみしめた。
サポーターからの期待も感じていた。無得点でも見放さずに送られた声援に感謝する。これまで5クラブを渡り歩いたが「今日取れたのは、本当に他のチームではない喜びというか、うれしさはありました」。
悩んだ時期も「守備から全力やらないと自分のところに(ボールは)返ってこない」と言い聞かせ、献身性という武器を忘れず、愚直に練習に取り組んだ。鬼木達監督からも「折れずに努力を続けたことがこういう形になったのかな。本当にゲームの中で少しずつ存在感を増していっている」と評価された。
チームは公式戦4連敗後、見事に立て直して連勝街道に再び投入した。田川は「全員が本当に同じ方向を向いてます」と一体感を強調。終盤の相手の猛攻を全員で耐えしのだ。ケガ人続出の非常事態でも「鹿島らしい」勝ち方で首位をがっちりキープした。【佐藤成】