
<阪神大学野球春季リーグ:大産大4-2甲南大>◇第5節1回戦◇3日◇ほっともっとフィールド神戸
08年秋以来のリーグ優勝を狙う大産大が甲南大に勝利して優勝へ前進した。
左腕の高橋克弥投手(4年=高知)が9回7安打2失点で公式戦初完投を決め、勝利へと導いた。初回に押し出し死球で先制を許したが、回を重ねるごとに修正。「前半は逆球だったり高めに浮いていたところはあったんですけど、修正しきれたのが良かった」と汗を拭った。プロ注目の小出望那(もなく)捕手(4年=大産大付)からも「ビビらんと内を攻めよう」と言葉を受けて攻めの姿勢を見せた。
7回には1点を返されたが最少失点にとどめた。8回が終わり、市川哲也監督(47)と「壁を乗り越えよう」と話し合い、初めての9回もマウンドにも立った。「しんどいですけど、気持ちでいこうと思った」。気合を入れ直し、3者凡退に抑えて「気持ち良かった」と白い歯をこぼした。
昨秋まではブルペン陣の一角としてチームを支えてきたが、先発投手が少ないこともあり今春から先発転向を志願。「誰もが先発で投げたい」と最終学年になってまっさらなマウンドに立つ。優勝を争う関西外大との直接対決でも先発で6回1安打無失点と好投。この日も好投し、優勝へ1歩前進した。
勝ち点を21まで積み上げて首位をキープ。優勝の行方は4日の最終戦までもつれ込むが、「いい緊張感で野球ができている」と前向きだ。優勝すれば全日本大学選手権(6月8日開会式、同9日開幕)の切符を獲得する。「優勝させてほしい。全国に初めて行きたい」と頂点を見据えた。