
<ACLE:川崎F3-2アルナスル>◇4月30日(日本時間5月1日)◇準決勝◇サウジアラビア・ジッダ
川崎フロンターレが、アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)準決勝でアルナスル(サウジアラビア)に3-2で競り勝ち、クラブ史上初の決勝進出を成し遂げた。
相手の世界的スター、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドを止めての快挙だ。代名詞の7番を背負った40歳の「CR7」に何度も脅かされたが、前半のヘディングシュートはポストに救われ、後半の終了間際に許した3度の決定機も全て切り抜けた。地をはう直接FKはGK山口瑠偉が阻み、抜け出しからGKと1対1にされた場面も、日本代表DF高井幸大らが懸命に体を寄せて、ミートさせなかった。
両手を広げ、頭を抱えて何度も首を振ったロナウドは、敗戦後、徐々に感情が高ぶり、目を赤くする。最後は涙を浮かべて、うつむきながら完全ホームのピッチを去った。
川崎Fは、強烈な個にチーム全員で対抗。「数字」にも表れた。ロナウドの年俸は、英紙ミラーなどによると推定2億ユーロ(約320億円)。一方の川崎Fは昨年Jリーグから開示された2023年度のトップチーム人件費が32億8700万円。これには全選手の年俸や遠征費も含まれているが、その全ての10倍を、たった1人で稼ぐロナウドのアルナスルに、中2日の疲労がありながらも勝ち切った。
ポルトガル代表として前人未到の国際Aマッチ216試合に出場し、クラブも含めた通算得点数は934を誇る男は、封じ込められて失意の試合後、自身のX(旧ツイッター)を更新した。
「夢は時として待たなければならない。このチームと、ピッチ上で私たちが発揮した全てを誇りに思う。私たちを信じ、常に支えてくれた全てのファンの皆さま、本当にありがとう。皆さんのサポートは本当に大きな力になりました」
アルナスルは中東の雄サウジアラビアが誇る資金力をバックに、Cロナをはじめ、年俸60億円の前リバプール、セネガル代表FWサディオ・マネや元クロアチア代表MFマルセロ・ブロゾビッチ、スペイン代表DFエメリク・ラポルトらを獲得。総年俸500億円と言われている。
今大会の準々決勝でも横浜F・マリノスを4-1で粉砕していたが、またもクラブ最高のアジア4強で旅が終わり、悲願の優勝には届かなかった。
【得点経過】
1-0前半10分伊藤達哉(川崎F)
1-1前半28分サディオ・マネ(アルナスル)
2-1前半41分大関友翔(川崎F)
3-1後半31分家長昭博(川崎F)
3-2後半42分アイマン・ヤヒヤ(アルナスル)