
ファジアーノ岡山は5月3日にアウェーでヴィッセル神戸と戦う。
岡山は29日の東京ヴェルディ戦で惜敗。今季初の3試合連続失点での3戦未勝利となった。それでも確固たるベースがあるチームに必要なのは、変えることではなく徹底すること。木山隆之監督(53)は「このリーグでずっと(失点)0でいくのは難しい。点を取る必要がある時に全体のバランスとして何をしなければいけないか、過密日程でやりくりが苦しい中でどうしなきゃいけないかは少し考える必要がある」としながらも「自分たちのやるべきことをしっかりやること」と強調した。
J1連覇中の神戸について指揮官は「本当に強い。シーズン序盤は2連覇後の進化を考えながらプレーしている中で少し出足が遅れたかもしれないけど、ここ数試合はやっぱり勝負強い。従来のヴィッセルの強さを見せていると感じる」と警戒した。
兵庫・伊丹市出身の木山監督にとって神戸の街は「幼い頃から高校生の頃までずっと育ってきた場所」。指導者となってからは05~07年に神戸ユース(現U-18)監督、13~14年に神戸トップチームコーチも務めた愛着のあるクラブとの対戦となる。
昨年12月7日のJ1昇格プレーオフで昇格を決めた翌日には、ノエスタで行われた神戸対湘南を現地視察。そこで連覇を成し遂げた神戸には、強烈な印象を持ったという。「やっぱり強いなと思った。ベルマーレもいいサッカーをしていたけれど、球際のところとゴール前のクオリティーが違った。このチームと来年試合をするのかと思うと『これは(厳しい)なあ』と思って新幹線に乗って帰った記憶がある」。
それから約5カ月。クラブ初のJ1の舞台で、岡山は堂々の戦いを見せてきた。消化試合が2試合違うものの、順位表では9位岡山が10位神戸の上にいる。確かな自信を手に臨む一戦に木山監督は「我々もやれることをしっかりやりながらリーグの中で戦っている。連覇しているチームと戦えるというのは幸せなこと。全力を出し切る試合をしたい」と力を込めた。
同じ川崎製鉄(現JFEスチール)水島製鉄所サッカー部を源流とする兄弟クラブによる“川鉄ダービー”という点でも、思いを持って戦う試合になる。「クラブ創設時から関わっている方にとっては、本当に大きな夢のような試合だと思う。我々としては自分たちの持てる力を出し切ることをお約束して、全力で戦いたい」。新たな歴史の一歩となる一戦は、5月3日午後3時からノエビアスタジアム神戸で行われる。【永田淳】