
<西武3-2オリックス>◇27日◇ベルーナドーム
西武の渡部聖弥外野手(22)が、得点圏で異常な強さを発揮した。初回1死二塁でオリックス高島から中前へ先制適時打を放ち、3回1死三塁では右前に運んで追加点。2安打2打点の活躍で、右足首捻挫から1軍復帰後3試合連続マルチ安打でカード勝ち越しに貢献した。得点圏打率は6割に達し「学生時代からチャンスは大好き。『チャンス来い!』といつも思っています」と陽気に笑った。
開幕から既に2桁10試合でマルチ安打。ルーキーが4月に記録するのは、21年のDeNA牧以来だ。仁志野手チーフ兼打撃コーチは「ここが苦手だとかが分かりづらく、弱点が見えない。相手チームも対応に相当苦労していると思う」と推測。さらに「体の力が強くて、スイングに無駄がない。どことなく牧に似たところがある」と評価した。
NPB屈指の右の強打者に例えられ、渡部は「ルーキーから打率3割を残していて、本当にすごいバッターです」と恐縮した。実は大学時代に周りから牧と似ていると言われることがあり、自然と意識する存在だった。「オープン戦で対戦した時には『体は大丈夫か?』と声かけられて、優しいなと思いました」と感謝する。ただ、それで満足はしない。「(牧を)超えるぐらい活躍したいと思います」と胸に秘めた野望をのぞかせた。活躍が続けば、武内に続く西武から2年連続新人王の期待も高まる。チャンスが大好物の若獅子から目が離せない。【平山連】