
独立リーグの北海道フロンティアリーグ(HFL)が5月4日に開幕する。3連覇を目指す石狩レッドフェニックスは27日、石狩市内で開幕直前フェスティバルを行った。昨季まで野手総合コーチを務めていた元阪神の的場寛一監督(47)が就任。NPBへの選手輩出と全国の独立リーグ王者が集うグランドチャンピオンシップ(GC)での日本一獲得を目標に掲げた。
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的場監督はイベントでのあいさつで、2つの目標を宣言した。「1つ目はNPBにこの25選手の中から1人でも多く輩出すること。2つ目は全国大会で優勝すること」。GCは23、24年に出場してともに初戦敗退。まだ1勝も挙げられていないが「日本一になるために日本一の練習をするという意識で、日々を過ごして欲しい」と選手に求めた。
HFL初年度の22年から臨時コーチとして、前監督で現ヤクルト坪井打撃コーチをサポートし、チームに携わっていた。「コーチの延長線上という気持ちで、プレッシャーはあまりなく、今は楽しみな気持ちが多い」。今季からは北海道に生活拠点を持ち、練習もみっちり指導する。
新加入は11人。元ロッテ土居豪人投手(25)と弟の穀人投手(22)が兄弟そろって仲間入りした。指揮官も期待する2人。豪人は「NPB復帰を目指していけば、チームへの貢献にもつながる」。この日、サプライズで開幕投手に指名された穀人は「僕が近くで兄から学びたくて、一緒のチームでプレーしようと声をかけた。成長できたら」とうれしそうだ。
今月は11日間の関西キャンプを実施し、実戦を積んだ。4チームでの争いとなる新たなシーズン。新監督は昨季覇者として「受けて立つ横綱相撲というほどの力量はない。逆に相手の胸を借りて、どんどん挑戦していく姿をいかに継続するかが連覇の鍵」と、気を引き締める。【保坂果那】
○…美唄ブラックダイヤモンズは、リーグで唯一昨季から続投した元日本ハム金子洋平監督(43)が3年目を迎える。「毎年選手が入れ替わる中で一からチームづくりしている」中で、昨季はレギュラーシーズン初の2位に入った。「近々には難しいかもしれないが、NPBに引っ張ってもらえる選手を育てていきたい」と思い描く。
○…KAMIKAWA・士別サムライブレイズは、オリックスなどで活躍した本西厚博監督(62)が就任した。昨季までは千葉・富里市を拠点にするクラブチームのハナマウイの監督を務め、20年に都市対抗出場も果たした。2月から道内に住まいを移し、3月から全体練習を開始。「仕事をいただき光栄。投手を中心とした守り勝つチームを作っていきたい」と意気込む。攻撃は元広島バティスタ(33)が加入し、軸となりそうだ。
○…別海パイロットスピリッツは、今季からリーグに参加する道東初の独立リーグ球団。留萌市出身の元ソフトバンク本間満氏(52)が初代監督を務める。2月までは暁星国際(千葉)で指導していたが、地元にカムバック。「北海道に恩返ししたい気持ちがずっとあった。新球団ということで立ち上げから全てゼロから携われる楽しさを感じた。野球を通じて町を盛り上げられたら」。4日石狩との開幕戦が初陣となる。