
日本代表の森保一監督(56)が27日、鹿児島・奄美大島を訪れ、島の子どもたちに熱血指導した。
以前知人とプライベートで島を訪れた縁で、来島が決まり、地域の小中学生にサッカー指導することが実現。チャレンジすることの重要性を訴えた。
大物訪問に島中が沸いた。朝には市の放送で監督の来訪が伝えられた。「1度子どもたちに会いに行きたいなとずっと思っていた」。多忙の合間に1泊2日の弾丸で訪れることとなった。市のグランドに姿を現すと、ざわめきが起こり、子どもたちは目を輝かせた。
ジャージー姿の森保監督は「日本代表になれる選手を発掘、発見するために来ました。武器を発揮してみんなで協力して頑張ってください」と呼びかけると、しばらくプレーする子どもたちを遠巻きに見守った。突如、指笛をならし、子どもたちに集合をかけた。
「サッカーって歩いてやるスポーツ? ボール取られたら取り返す、みんなでボールを奪いに行く。ボールを奪い合う、そこからゴールに向かうのをみせてほしい」
そう強い口調で訴えた。直後から子どもたちの動きが変わる。激しいボールの奪い合い、指示の声が多く出た。森保監督自身も「ナイスチャレンジ! ブラボー!」と盛り上げた。
トレーニング終了後に森保監督は語りかけた。「みんな別人のごとくプレーした。ほとんどの人がプロ、日本代表になりたいと思っていると思うので、その夢をもって、チャレンジしてほしい。その可能性はすごくある。自分の可能性を信じて仲間と切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ってほしい」。
その後はじゃんけんで勝った子どもにサイン入りユニホームをプレゼント。靴や靴下までねだられ、はだしで会場を後にするほどの神対応をみせた。イベント後に取材に応じた森保監督は「よそ行きな前半とは違って後半は本当にみんな生き生きプレーしてくれた。すごく来て良かった」と柔らかい笑顔で振り返った。【佐藤成】