
<月刊ハマの番長~シーズン5~:第1回>
DeNA三浦大輔監督(51)が、舞台裏や思いを語る「月刊ハマの番長~シーズン5~」。第1回は開幕直前スペシャルとして、復帰が決まった最強助っ人トレバー・バウアー投手(34)を中心とした「中4日ローテーション構想」を明かした。昨年の日本シリーズ王者として臨む25年シーズン、リーグ優勝という大きな忘れ物をチーム一丸でつかみにいく。【取材・構成=小早川宗一郎】
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来たる25年シーズンへ、気持ちは高鳴る。最強助っ人バウアーの復帰で27年ぶりのリーグ優勝がより一層現実味を帯びる。三浦監督が期待を込めて言った。
「去年から交渉の経過報告も受けていて、復帰が決まったと聞いて『よし!』と思いました。開幕から間に合いそうということで、すぐにローテーションをどうしようかとイメージして。ビザの関係でキャンプの後に合流ということでしたけど、SNSでも練習風景は見ていましたし、何しろ一緒にやった23年の投球や練習への取り組み方、調整の仕方がすごいと感じたので心配はしてなかったです」
バウアーの存在によって登板間隔を詰めた中4日、中5日のローテーションも増えてくる。日本では当たり前となっている「先発6人の中6日ローテ」にも疑いの目を向ける。
「6試合を6人でキレイに回していれば、いいように見えるけど、果たしてそれがベストなのか? と。とらわれすぎなくてもいいんじゃないかなと。俺も先発をやっていたから分かるけど、同じリズムで中6日は確かにリズム感を出しやすい。でも雨で流れたり、試合のスケジュール上、間が空いたり、詰まることもあるかもしれない。でも結局はプロである以上、その日に合わせて作り上げていくものです。もちろん選手の状態、回復を見ながらですけどね」
コーチ陣の組織図も変わった。ゲームの采配や戦略に携わる「戦略部」と選手の技術育成などに携わる「育成部」と大きく2つに切り分けられた。2つを兼務していた「打撃コーチ」という肩書はなくなり「野手コーチ」という肩書で1軍、2軍の垣根もなくなった。そんな中、村田修一野手コーチの加入も大きなプラス材料だ。
「一緒にやるのは14年ぶりですけど、現役の時のイメージとガラッと変わったなと。キャンプ、オープン戦を見ていても、自分の良いところだけの話をするのではなく、自分が失敗してきたこと、間違ったなと思っていたことでもさらけ出して、選手と向き合っている。他球団や独立リーグも経験して大人になったな、大きくなって帰ってきたなと感じました」
上積みした新戦力と25年シーズンを戦う。日本一になった経験はチーム全体を1つにした。
「去年、CSから日本シリーズで守り勝てたという成功体験がありました。だから今年のキャンプのテーマでも『守備力の向上と判断力の向上』を掲げました。打線が周りからの評価が高いから、それをより生かすためにもしっかりと守らないと」
歓喜の味を知った。でもまだ足りない。リーグ優勝の忘れ物を取りにいく1年にする。
「俗にいうおごりみたいなものはないです。チャンピオンフラッグを掲げた中でのキャンプ、シーズンは26年ぶり。でもやっぱり1つじゃ足りないです。2つなびかせていたい。23年に交流戦も優勝して、昨年はCSから日本シリーズも勝ち上がった。でも1個足りないなと。全員が同じ方向を向いて、改めて目指すものがより明確になったと思います。リーグ優勝して、日本一連覇。シーズンは長い戦いになると思いますけど、ファンのみなさま、今年1年一緒に戦っていきましょう。ヨ・ロ・シ・ク!!」