
<日本ハム3-3ヤクルト>◇22日◇エスコンフィールド
日本ハム新庄剛志監督(53)が開幕へ向けて大きな収穫を得た。
ヤクルト戦(エスコンフィールド)に引き分けて10年ぶりのオープン戦1位に王手をかけた中で、真っ先に振り返ったのが2回に失敗したスクイズの場面。今季から内野が天然芝から人工芝に変わったことで、スクイズの打球も“死なない”ことを確認した。小技も多用する新庄野球に欠かせないチェックポイントをクリアし、シーズンへの準備も万全だ。
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新庄監督は試合後、自ら試合のポイントを語り出した。2回1死三塁。打者上川畑、走者田宮という状況で仕掛けたスクイズが失敗した場面だ。
新庄監督 上川畑君のスクイズ。去年までは(打球を転がすのは)ピッチャー前でいいよっていうチームの決まり事だった。(内野が)天然芝で(打球が)死ぬから。今年は人工芝になって、どうなるんかなって。案の定、普通に転がってた。いいのが見られました。
上川畑の打球は強めに、投手前へ転がった。昨季までなら天然芝でゴロの勢いも弱まっていたが、今季からは人工芝。打球の勢いは変わらず、三塁走者は本塁でアウトとなった。
試合後のコーチミーティングでは、すぐにスクイズで打球を転がす方向について話し合ったという。「今度は方向をしっかり決める。ちょっと難しくはなりますけどね」とスクイズ時の決まり事を“人工芝仕様”に変更することになった。
昨季までも多用してきた犠打やスクイズなどの小技は、新庄野球にとって肝となる戦術だ。だからこそ、内野の人工芝化は守備だけでなく攻撃面にも大きく関わる。その部分をオープン戦の間にチェックできたことが大収穫だった。
いろいろ試しながらのオープン戦で勝敗はこだわっていないが、この日も負けなかった。選手の仕上がりも順調で、細かな確認事項を1つずつクリアする状況に手応えは増すばかりだ。この日はデーゲーム。就任4年目のシーズン開幕が待ち遠しい中で、ナイターで西武が敗れれば15年ぶりのオープン戦1位が確定すると聞いた新庄監督は「そんな情報いらない。シーズンならテレビの前にかじりついて(西武戦を見て)大騒ぎですけど」と笑い飛ばした。【木下大輔】