
球児たちの春がやってくる。
第97回選抜高校野球大会が今日18日、甲子園球場で開幕する。17日は開会式のリハーサルが行われた。
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智弁和歌山・中谷仁監督(45)は“ノムラの考え”継承で春夏通じて4大会ぶりのV奪還を目指す。甲子園のスタンドで、21日の初戦でぶつかる千葉黎明・中野大地監督(38)と対談。捕手出身の中谷監督は、自チーム相手チームとも「どうしてもバッテリーに目がいく」と語り、自らの指導者の原点を明かした。
「野村監督の『バッテリーが勝敗の70~80%にある』という言葉にあるように、僕もそう思っています」
20年に亡くなった野村克也さん(享年84)の教えを引き継ぐ。NPB通算15年間のキャリアを持つ中谷監督は、阪神と楽天に在籍時に野村監督のもとで野球観を学んだ。現チームもエース渡辺颯人(はやと)、宮口龍斗(たつと)(ともに3年)の両右腕を中心とした投手陣と、山田凜虎(りとら)捕手(2年)のバッテリーが軸だ。「バッテリーの育成と成長が勝利に不可欠です」と自負する。
野村さんが勝利に欠かせない武器とした機動力も備える。「控え選手まで入れたら“F1セブン”くらいスピード感がある選手がいる。そういう(足を使った)戦い方が理想です」。阪神監督時代の01年、赤星憲広、藤本敦士ら快足7選手を命名した智弁版F1セブンも準備OKだ。21年夏の全国優勝後の聖地は出場3大会連続初戦敗退。野村イズム全開でまずは4年ぶり勝利をつかむ。【中島麗】