
<スペインリーグ:ラヨ・バリェカノ2-2Rソシエダード>◇16日(日本時間17日)◇第28節◇エスタディオ・デ・バジェカス
【マドリード16日=高橋智行通信員】日本代表MF久保建英(23)の所属するレアル・ソシエダードは敵地でラヨ・バリェカノと2-2で引き分けた。右サイドで先発した久保はフル出場し、同点弾の起点となった。
13日の欧州リーグの決勝トーナメント1回戦マンチェスター・ユナイテッド戦から中2日で迎えたアウェー戦。後半に一時逆転を許すも終盤に追いついて勝ち点1を積み上げた。久保は「負けなくて良かったかなというのがすべてですね。自分たちが先制した後に2点取られて、今日もまた負けるのかと思いましたけど。最後に本当はもう1点取れれば良かったですけど。でも引き分けられて良かったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
試合は右サイドのデ・フルートスを中心に攻めたラヨ・バリェカノが徐々に主導権を握る中、Rソシエダードは前半20分、セルヒオ・ゴメスの正確なCKを、ゴール前でフリーだったスビメンディが完璧なボレーで合わせ、待望の先制点を記録した。
ラヨ・バリェカノはこの失点に気落ちすることなくすぐさま反撃し、同21分にラティウの突破からトレホがミドルシュートを放つが、惜しくもGKレミーロに阻まれた。
その後、ラヨ・バリェカノがボールをキープするが、両チームにチャンスが生まれないまま時間が経過。Rソシエダードは同39分に久保のパスを受けたセルヒオ・ゴメスがカットインしてシュートを打つも、GKバタージャにファインセーブされた。
後半はホームチームがペースを握った。同13分、ラティウが右サイドから入れたグラウンダーのクロスをトレホがペナルティーエリア内で受け、右足を振り抜き同点弾をたたき込んだ。
一進一退の攻防が続く中、ラヨ・バリェカノは同27分、ゴール前を固める相手守備陣の隙を突き、ペドロ・ディアスがペナルティーエリア手前からの強烈なミドルシュートで逆転に成功する。
Rソシエダードが終盤に追いつく。同35分、久保が右サイドから入れたクロスが相手GKに足でクリアされた後、拾ったマリエスクレナがゴールに蹴り込み、すかさず同点に。後半に入り白熱した試合は2-2の同点に終了した。Rソシエダードは先制するも勝ち切ることはできず、公式戦6試合連続、リーグ戦3試合連続で勝利なく、スペインリーグ成績は28試合10勝5分け13敗の勝ち点35で12位となった。
久保は前半はほぼ見せ場なく終え、後半に持ち味を発揮した。過密日程ながらフル出場を果たし「最後の方はきつかったですけど、後半は楽しくやれてたんで良かったです」と振り返った。
後半24分に巧みなトラップでチャバリアをかわし、そのままペナルティーエリアに侵入して右足でシュート。同35分の同点弾のお膳立て後にも、同43分にマリエスクレナの決定機を演出。シュートは惜しくも相手GKに防がれ、決勝点にはならなかった。
「前半はあまりつなぐ時間が少なかったので。後半負けてきてから僕たちが攻める時間が増えてきて。シュートは決め切らなかったですけど、最後に得点にかかわれて良かったかなと思います」
チームはマンチェスターUに大敗し、ELで敗退した。「ここからもう切り替えるしかないねというところで、切り替えられなかった部分はあります」と素直な思いを吐露。それでも「これでいったん、代表挟んでみんな、フレッシュな状態で戻ってくると思うんで。ここからまたみんなで頑張りたいなと思います」と終盤戦でのスパートを誓った。