
<オープン戦:阪神3-2西武>◇12日◇ベルーナドーム
なぜ西武の投手陣は強いのか-。11日は阪神打線を継投で1安打完封。12日は開幕投手の今井達也投手(26)と与座海人投手(29)が合計で8イニング被安打2。昨季91敗の悲愴(ひそう)感が今のところまるでない。
今井は好調さにこう思う。「(高橋)光成さんや平良や、1軍で活躍する選手が向上心を持って真摯(しんし)に野球に取り組んでいて。年下の選手に刺激になっていると思います」。
そんな今井がベルーナドームで虎打線を封じる頃、徒歩5分先のカーミニークフィールドでも新星が光った。ドラフト5位右腕、篠原響投手(18=福井工大福井)が春季教育リーグ・巨人戦に2番手で登板。隣接の本拠地から外崎の応援歌も届く中、マウンドで跳ねるように躍動する。
最速153キロのうなる直球を連発。西武ベンチからも「いい球や!」「グッピー!」「まだ高校卒業したばかり!?」と驚きの声が上がる。巨人ティマは口元の高さの150キロで空振り三振を喫するほどだった。
高校時代は無名。急成長に本人も「なぜなんでしょうか? 体重は増えました」と首をひねるが、他球団関係者は「ドラ1」「今回のドラフト一番の掘り出し物」と賛辞を広げる。今井も篠原のことを「知らないです」と言いつつ「なんかいい球投げるみたいですね」とニヤリ。今井に憧れる18歳は「まだ話せてないんです」としながら、追う背中が身近にいるのは最高の環境だ。獅子再建の道筋は見えている。【金子真仁】