
もう花咲徳“エイ”とは言わせない。巨人ドラフト1位石塚裕惺内野手(18=花咲徳栄)が10日、埼玉・加須市内の同校で行われた卒業式に出席。春夏通算13度の甲子園出場を誇る名門だが「まだ花咲徳エイって読まれることもあったりする」と明かし「自分が活躍すれば花咲徳栄の知名度もどんどん上がっていくと思いますし。しっかりやるだけ」と力を込めた。
チームメートの言葉に思わず涙した。卒業式を終えると、目に涙を浮かべながら退場し「控えだったけど、野球の応援を一番精力的にやってくれた子で、その子が元生徒会長として答辞(を読んだ)場面で、やっぱり思い出すものがいろいろあった」。山田勘太郎さん(3年)の思いのこもった答辞に感極まった。
3年間で教わったことは、プロの世界でも通用している。ジャイアンツタウンスタジアムで行われた開業記念試合の4試合では、10打数4安打で打率4割。全ての試合で安打を記録し「技術的なこともそうですけど、メンタル的なものを本当に鍛えてもらった3年間だった。うまく(試合に)入れるようになってきたのが、結果につながってるかな」とうなずいた。恩師の岩井監督も「初めて当たるピッチャーから打つんだから、大したもん。ずっと(スタメンで)出続けられる鉄人みたいになってもらいたいね」と期待する。
支えてくれた方々への感謝も忘れない。オリックス若月やソフトバンク井上ら、同校OBにならって打撃マシンを寄贈。「自分を成長させてくれた大切な場所。東京ドームでプレーしている姿を見せるのがもうひとつ最高の恩返しになるので早くそれを達成できるように。1日1日を大切に、1歩1歩頑張っていきたい」。花咲徳栄の名を全国区にするためにも、決意を新たにして、制服を脱いだ。【水谷京裕】