
カブスとドジャースが戦う米大リーグの日本開幕シリーズ(3月18、19日、東京ドーム)を記念し、MLBカラーにラッピングされた東武鉄道の特急「りょうもう」の出発式が7日、浅草駅で行われた。61年前に日本人メジャリーグ1号となった「マッシー」こと村上雅則さんがテープカットを行った。
村上さんは駅のホームで右手を横に広げて、発車を指示した。初体験に「メジャーデビューした(1964年)9月1日よりも緊張した。老いぼれになって。あと3日後が羽田からアメリカにたった日」と振り返った。列車のデザインには「カブスとドジャースのマークが入って格好いい。乗ってみたかった」と話した。
開幕シリーズにはドジャースから大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希、カブスから今永昇太、鈴木誠也と、日本人5人が参戦する予定だ。「メジャーに日本人が5人もいるなんて、考えられなかった。今永と山本(開幕投手で)、日本人の投げ合いなんて考えられなかった。今思うと、すごいところでやっていたんだなあ」と思いをはせた。
日本人の注目選手を問われると「もちろん大谷はテレビでも注目されている。期待しているのは菅野。36歳で行って、三振は取れなくてもピッチングのうまさを持っている。(自分も)20歳でデビューした時、首を振って投げた。自分の組み立てを貫いてほしい」と、巨人からオリオールズに渡った右腕にエールを送った。
当時と現在大リーグで、相違点を聞かれると、体格に関するエピソードを紹介した。「65年にオーランド・セペダと指相撲をした。『2本(人さし指と中指)でやれ、俺は(中指)1本』と」。ハンディをもらって戦ったが「ひねられた」という。
山本と今永投げ合う開幕戦の試合展開予想も行った。「先発は2人とも5回までいくか分からない。メジャーは1試合だけで考えない。50~70球ぐらいかな。ランディ・ジョンソンは『3試合は2回でいい』と言っていたからね。完封して肘がおかしくなるより、1、2点は与えてもいい」。投手出身らしく、無理をしない発進を期待していた。 ラッピングされた「りょうもう206号」は31日まで1編成が伊勢崎線、桐生線を走る。4月1日からは、開幕イベントロゴがMLBに変更され、25年末ごろまで走る予定。【斎藤直樹】