
侍ジャパン選出の阪神佐藤輝明内野手(25)が待望の「日の丸1号」で26年WBC代表入りを引き寄せる。大阪・舞洲の室内練習場で4日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本VSオランダ」(京セラドーム大阪)の前日練習に参加。5日の初戦はクリーンアップ起用が濃厚だ。今回が3度目の代表選出となるが、いまだ本塁打はゼロ。井端弘和監督(49)が長打力のある侍戦士を熱望する中、ド派手な1発で指揮官の心をわしづかみにする。
◇ ◇ ◇
暴風雨が室内練習場の外壁をたたき続ける中、佐藤輝の心は誰よりもホットだった。気温は5度前後。身震いする寒さの中、報道陣から侍ユニホームに袖を通した感想を問われると、グッと視線を上げて言葉に力を込めた。
「長打が自分の持ち味なので、しっかり出せるように頑張りたい」
23年11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」以来3度目の代表選出。プロ入り後の国際舞台では練習試合を含めて33打数5安打、打率1割5分2厘と苦戦を強いられてきた。実は本塁打も放っておらず、今回は「侍初アーチ」で代表入りをグッと引き寄せたい。5日の初戦はクリーンアップでのスタメン出場が濃厚。本塁打を期待する声にも「もちろんアピールになる」と気合十分だ。
井端監督はこの日の会見で、WBC本大会での長打力の重要性を熱弁した。「前回大会を見ても準決勝、決勝あたりはホームランでの得点しかほとんどなかった。優勝する上でホームランは必要不可欠。1人でも多く、長打が期待できる選手が出てくればうれしいです」。今回は細川、万波、水谷など長打力を武器とする選手が集まった。中でも特大弾といえば、虎の背番号8の代名詞。ド派手な1発で指揮官の目をくぎ付けにしたいところだ。
室内練習場で行われた前日練習ではメニューが限られる中、他球団の選手と積極的にコミュニケーションを取った。「いろんな選手の動きを見て勉強しています。会話の中で気付けることもあるかもしれないので」。打撃練習中には日本ハム万波とミートポイントについて意見交換する場面もあった。さらなる成長へ、強化試合2試合も無駄にするつもりはない。
2月のキャンプインから好調を維持し、ここまで実戦7試合で17打数7安打、打率4割1分2厘、2本塁打。上々のタイミングで代表戦に臨む。熱望する26年WBC出場へ、まずは地元関西で号砲を鳴らす。【山崎健太】