
侍ジャパン大山悠輔内野手(30)は今大会チーム最年長ながら、若手から一流エキスを吸収する。19年3月のメキシコ戦以来、約6年ぶりの選出。前回は大卒3年目で立ち位置としては若手だった。一方、今回は同学年の吉川、斎藤の他は全員が後輩。それでも向上心にあふれた虎の主砲はどこまでも謙虚だ。
「伝えるというよりも、僕の方が学ぶことが多いと思うので、そういう時間をしっかり作りたい。盗めるものはしっかり盗んでやっていきたい」
4日は大阪・舞洲の室内練習場で前日練習。他球団の選手と笑顔で言葉をかわす場面もあった。「試合を通じていろいろ感じることもあると思うので、見ながらやっていきたい」。今回の強化試合オランダ戦は5、6日の2試合。練習を含めてわずか3日間の代表期間で大事なことを問われると「全部です。細かいところも見ていきたい」と力を込めた。
侍戦士としてのアピールポイントについては「1球1球しっかり泥くさくじゃないですけど、そういった姿が一番伝わると思うので、しっかりやっていきたい」と返答した。落ち着いた表情の裏で、胸の内は燃えている。初見の相手ばかりとの対戦。「いろんな状況、場面を想定しながら、しっかり準備していきたい」と気を引き締め直した。
来春にはWBCも控える。「前回も見ていたし、同じチームの中野が出場して、いろんな話を聞いている」。今回のオランダ戦は1年後に向けてアピールの場にもなるが、当の本人はどこまでも冷静だ。「まだ1年後なので、まずは今年のシーズンをしっかりやることが一番」。さらなるレベルアップで虎を頂点に導いた先に、世界の舞台が待っている。【塚本光】