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<オープン戦:ドジャース-ホワイトソックス>◇2日(日本時間3日)◇アリゾナ州グレンデール
【グレンデール(米アリゾナ州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、オープン戦初出場から2試合連続安打で好スタートを切った。ホワイトソックス戦に「1番DH」で出場。第2打席で中前打を放ち、2打数1安打だった。見逃し三振を喫した第1打席はストライクゾーンの確認作業を行い、2打席目は初球打ちで持ち味を発揮。一塁へ出塁後の儀式「ヘッド・バンプ」は“空振り”して苦笑いも、新スライディングを披露し、開幕に向けて順調に調整した。
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大谷は確実に打球をヒットゾーンに落とした。2打席目、右腕マーティンの内角カットボールに詰まりながらも、中前打を放った。その前の第1打席、フルカウントから外角低めのスライダーに見逃し三振を喫したが、相手投手のボールの軌道とストライクゾーンの確認をしながら、第2打席では初球打ち。昨季、打率3割1分で終盤まで首位打者争いを演じたミート技術と積極打法は健在だった。
豪快な本塁打や高速打球のダイナミックな打撃だけでなはい。シングルヒットや四球などしぶとい出塁から俊足を生かす攻撃が、打者大谷の最大の長所でもある。続くT・ヘルナンデスの三ゴロでは二塁へ華麗にスライディング。昨年のワールドシリーズ第2戦で二盗を試みた際、左手を地面につけて引きずり、左肩を亜脱臼した。今季からは手をつかない形に改良。二塁封殺となったが、素早くスムーズに滑り込んだ。
調整は極めて順調に進んでいるが、思わぬ“空振り”もあった。昨年まで、出塁する度にクレイトン・マッカロー一塁コーチ(現マーリンズ監督)とヘルメットをぶつけ合う「ヘッド・バンプ」が定着。今季も継続し、第2打席の出塁後に大谷は一塁コーチへ頭を傾けたが、空振り。照れ笑いを浮かべていた。この日、ド軍はオープン戦が2試合組まれており、恒例儀式を継承するはずだったクリス・ウッドワード一塁コーチは不在。代役で傘下マイナーのマニー・ブリス打撃コーチが務めていた。
この日は試合前にキャッチボールも行い、5月前後の二刀流復活に向けて投打で独自調整が続く。3月3日(同4日)はチーム休養日で、18、19日に東京で開催される開幕シリーズまで残り約2週間。オープン戦に加え、室内で実戦のシミュレーションを行う最新機器「トラジェクト・アーク」での調整も含め、目標とする50打席消化まで数をこなしていく見込みだ。
〇…主力打者が調子を上げてきた。フリーマンは4回にカウント3ボールから先制2ラン。2試合連続本塁打で、右足首の手術明けとは思えない打撃を見せた。「スイングはとてもいい感じだ。去年のワールドシリーズから変えたことを継続できている」と手応えを口にした。T・ヘルナンデスは6回に左翼へ今季の実戦初アーチ。日本開催の開幕へ、照準を合わせてきた。