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<WEリーグ:マイナビ仙台0-0サンフレッチェ広島レジーナ>◇2日◇第12節◇宮城・セイホクパーク石巻
石巻の地で、巻き返しの戦いがスタートを切った。
今季のWEリーグが再開し、マイナビ仙台レディースはサンフレッチェ広島レジーナに0ー0で引き分け。
2月に正式加入したMF大西若菜(22)が前半から「恐れることはない。どんどんやってやろう」と強みのドリブル突破を生かした。均衡を破りたい後半30分にもゴール目前まで詰め寄った。広島のディフェンスに阻まれはしたが、スタンドからはどよめきが起こった。守っても、前回9月の対戦では4点を奪われた相手に無失点。勝ち点1をもぎとった。大西は「今日は60点。もっと精度を上げていきたい」と進化を誓った。
リーグ戦序盤に故障者が続出したマイナビ仙台の救世主となるべく、特別指定選手として10月に加入した。日体大に在学のため、12月からインカレを控えていた。「迷いもあったけど、WEリーグに出場できるというチャンスをいただけるのは、自分にとってもチャンス」と入団を決意した。出場6試合目の11月2日ちふれ埼玉戦でWEリーグ初ゴールを決め、インカレではチームを優勝に導いた。「(加入からインカレまでの)その2カ月があって、成長できた。今に生きている」とこれからもプレーで表現していく。
ドローという結果に、須永純監督(49)は「組織的な守備ができてよかった。攻撃の面でも速い攻撃でカウンターから決定機を作れた」とうなずいた。そして「満足は選手も誰もしていない」と、次戦では勝ち点3を奪うつもりだ。【高橋香奈】
○…この日は「復興応援マッチデー」として開催された。選手たちは限定デザインのユニホームでピッチに立った。東北6県在住者や縁がある人たちが無料で招待され、サポーターも含め1553人が声援を送った。マイナビ仙台の国武主将は「復興支援ということもあって、石巻まで駆けつけてくれた方々の前で勝ちきりたかった。その気持ちは全員が持っているので、次につながると思う」と感謝した。