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<オープン戦:巨人1-2ロッテ>◇24日◇沖縄セルラースタジアム那覇
復活への、のろしを上げた。巨人田中将大投手(36)が24日、ロッテとのオープン戦(沖縄セルラー那覇)に先発。今キャンプで久保康生巡回投手コーチ(66)と取り組んできた“縦振り”を意識した投球フォームに、自身の感覚を融合させて試合に臨んだ。先頭打者への出塁を許したが、後続を打ち取り1回無失点。最速は145キロを計測した。次回は3月2日ヤクルト戦(東京ドーム)で2イニングを予定としている。
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冷たい風が吹きつける中、田中将がまっさらなマウンドに上がった。先頭の高部には一塁手キャベッジのエラーで出塁を許したものの、続くソトは遊ゴロ併殺打に仕留めた。最後は山本を一飛に打ち取り「2月中に順調であれば1試合投げたいと言ってきた。予定通り投げることができて、とりあえずホッとして帰れる」と、充実感たっぷりの笑顔でベンチに戻った。
復活への道のりは、次の段階に突入した。今キャンプは久保巡回投手コーチとフォーム改造に着手。「感覚的なところだったり意識は明らかに変わっているので、そこはすごく大きい」と“縦振り”を意識した投球フォームに手応えを示す。
一方で、新フォームは投球始動時に左足を横に踏み出していたが、この日は斜め後ろに踏み出し「キャンプの特に序盤は、意識づけのために大げさにいろいろやってきましたけど。今日みたいな試合という中では、そこにどんどん合わせていかないといけない」。“師匠”の教えを自身の感覚の中に落とし込む。
日米通算197勝の実績があるからこそ、追い求める姿も高い。オープン戦初戦は1回無失点。最速も145キロを計測するなど上々のスタートを切ったが「言っても1イニングですし、まだまだその辺は」と制球面に関して辛口評価。久保コーチも「もう1つガチッとはまるというか、その辺はもう少し時間が必要かなとは思いますね」と話した。
次回は、いよいよ東京ドームのマウンドに上がる。杉内投手チーフコーチは「東京ドームで2回を予定しています」と、3月2日ヤクルト戦での起用を明言。田中将は「自分のやることをやって、当然そこ(開幕ローテ)は割って入っていきたい。若い選手はかなり多いですけど、その勢いに負けないように僕も勢いを持っていきたい」。マー君は先発のマウンドがよく似合う。【水谷京裕】
▽巨人阿部監督(田中将について)「良かったと思います。自分を崩さないというか、今修正しているところをしっかりやってくれたので、それで十分かなと思います」