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【グレンデール(米アリゾナ州)23日(日本時間24日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)が、今キャンプで初めて投手相手のライブBPに臨んだ。マイナー施設で行われた「大谷専用」の練習メニューで、計32球中、安打性の当たりは2本。28日(同3月1日)とも見込まれる今季初実戦(エンゼルス戦)へ向けてまた1歩前進した。
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大谷を乗せたカートが動き始めると、報道陣、周囲のファンが一斉に走り始めた。当初は行き先が不明で右往左往。目的地がマイナー施設だと判明すると「民族大移動」が本格化した。数分後、直前までひっそりとしていたマイナーのフィールドを囲む観衆は、アッという間に約300人まで膨れ上がっていた。
同様にカートで移動したロバーツ監督、フリードマン編成本部長、多数のマイナー選手が見つめる中、大谷はヘルメットをかぶり、肘にレガースを装着。臨戦態勢で打席へ向かった。マイナーの右腕に初スイングでバットをへし折られても果敢に手を出し続けた。ボール球をハーフスイングして顔をしかめる場面もあったが、今の時期は投球への反応を含めた積極性が重要。インターバルを挟んだ全32球中18回スイングし、安打性は2本。ファウル11球、空振り5回とタイミングが合わず本来の調子には程遠かったものの、終了後は大勢のギャラリーから自然発生的に拍手が起こった。
予定通りとはいえ、着実にペースは上がった。キャンプイン後、これまでブルペン投球の翌日は屋外では練習せず、基本的には休養を優先させてきた。だが、今回は投球翌日に「打者デー」。マイナーでのライブBPは、大谷のために設定された特別メニューでもあり、あらためて「実戦近し」をうかがわせた。
見守ったロバーツ監督は、今季初の実戦打撃をこなした大谷の動きや反応に満足そうだった。「たくさんスイングしたし、ハードな打球もあった。彼は感じは良かったと言っていた」。28日(同3月1日)と見込まれるオープン戦出場へ向けて、また1歩前進した。投球、打撃、走塁と連日、多種多様なハードメニューをこなしながらも、再びカートに乗り、クラブハウスへ向かう大谷は、ファンの歓声に笑顔で応えていた。