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<オープン戦:ヤクルト1-6DeNA>◇23日◇沖縄・浦添
守護神襲名に名乗りを上げた。
ヤクルトの新外国人マイク・バウマン投手(29=マーリンズ)がDeNA戦に5回から3番手で登板。1回2奪三振のパーフェクト投球を披露した。「投げていて気持ちがよかった。ゾーンで勝負できました」と納得の表情だった。
自慢の勝負球が光った。1死から東妻には136キロのナックルカーブを外角低めに決めて空振り三振。続く知野も外角137キロナックルカーブで見逃し三振とした。身長193センチから投げおろす最速155キロの直球とのコンビネーションで圧倒。開幕カードで対戦する巨人の佐藤スコアラーは「155キロの真っすぐを気にしている中で、空振りの取れるカーブがあれば、狙いを絞りづらい」と警戒した。
異国で過ごす新鮮な日々を活力にする。キャンプ休養日は那覇の国際通りや公設市場を散策した。「食文化にすごく興味がある」と、まずは飲食店で使える日本語の日常会話を勉強中だ。昨季、ドジャース大谷から歴史的な50本塁打を浴びたことでも知られる右腕。キャンプでは初日の2月1日からブルペン入り。日本で結果を出すため、新たにスプリットの習得に励む勤勉さを持つ。
高津監督はバウマンに「チームに少ないパワーピッチャー。特徴を生かして(抑えに)なってくれれば」と期待を込めた。チームは昨季、小沢の11セーブが最多で、田口、木沢、石山らでやりくりしていた。泣き所のクローザーについて、指揮官は「最後の最後まで決まらないと思います」とオープン戦終盤まで見極めていく。21、22年の連覇時は抑えにマクガフが君臨。バウマンが抑えで固まれば、投手陣の再建に光が見えてくる。【上田悠太】
◆マイク・バウマン 1995年9月10日、米国ミネソタ州マトミディ生まれ。ジャクソンビル大から17年ドラフト3巡目(全体98位)でオリオールズ入団。21年9月メジャーデビュー。23年は救援だけで10勝。昨季は5チームを渡り歩いて57試合に登板。メジャー通算134試合、15勝6敗、防御率4・95。今季推定年俸1億5000万円。193センチ、108キロ。右投げ右打ち。
◆ヤクルトの抑え事情 昨季は開幕から固定できず、小沢、田口、木沢、石山ら流動的な起用だった。イニング別の失点数でも9回の45失点はリーグワースト。先発陣も規定投球回到達者がおらず、勝利の方程式も確立できず、チーム防御率3・64もリーグワーストと苦しんだ。