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<明治安田J1:清水2-0新潟>◇22日◇第1節◇アイスタ
ホーム開幕の清水エスパルスは2-0でアルビレックス新潟に完封勝ちし、J1では2007年以来18年ぶりとなる開幕2連勝を飾った。前半追加タイムに新加入MFカピシャーバ(28)の移籍1号で先制。後半に途中出場のMF松崎快(27)が左足ミドルを決め、守備も2試合連続で完封した。勝ち点6で並んだ湘南を得失点差で上回り、暫定首位のスタートを切った。
今季もアイスタで強さを証明した。清水がホーム開幕戦で完封勝ち。昨季J2で15勝3分け1敗と圧倒的な勝率を誇った本拠地で、相手を飲み込んだ。試合開始直後からサポーターが大声援で選手を後押し。前半26分、相手選手が一発退場する運も呼び込んで、その後は試合を優位に進めた。
同追加タイムにカピシャーバがCKのこぼれ球を左足で上段へ押し込み、先制点。加入2戦目で移籍後1号をたたき込んだブラジル人助っ人は「サポーターは12番目の選手として戦ってくれた。結果を残せたことが非常にうれしい」。ゴール後は応援席に向かって「ドヤ顔」の敬礼ポーズを決め、スタンドを沸かせた。
後半も危なげない試合運びで時計の針を進め、同17分に途中出場の松崎が約20メートルの強烈な左足ミドルを突き刺した。秋葉忠宏監督(49)は「練習から野心的に取り組んでくれていた」。後半開始から投入した切り札が追加点。思い切った采配もズバリ的中した。後半25分以降はMF乾貴士(36)やFW北川航也(28)ら主力を温存させる余裕も見せてリードを守り切った。
指揮官は言う。「我々にとってアイスタが聖地。ここでは絶対に負けないという雰囲気をJ1でも続けたい」。J2の昨季、相手サポーターから「要塞(ようさい)」と恐れられたスタジアムでの強さは今季も健在だ。試合後の会見でも「圧倒的な空気感をつくってくれたおかげで勝てた」とサポーターに感謝した。
3季ぶりのJ1で、開幕前の下馬評は低かった。今季のクラブ目標も「10位以内」と現実的な順位を設定している。ただ、1月の新体制発表会見で秋葉監督は宣言した。「日本サッカー界にビッグサプライズを起こす」。開幕連勝での「首位発進」は、その序章にすぎない。【神谷亮磨】