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<オープン戦:楽天7-7阪神>◇22日◇沖縄・金武
阪神村上頌樹投手(26)が貫禄の投球で初の開幕投手に1歩近づいた。楽天戦の2回2死三塁。右打者フランコに対して、角度をつけて外角低めに矢のような快速球を突き刺した。「今日は直球で詰まらせながら打ち取れたし、最後もコースにしっかり投げ切れた。直球の質を意識できたし、新しい変化球も試せたので良かったと思っています」と納得の表情を浮かべた。
宜野座キャンプのブルペン投球を見る人、見る人が驚く直球の質は、やはり間違いなかった。オフから取り組む新スライダーも約1/3にあたる10球を投げた。抜け球が多く不満げだったが「使っていければ楽になる。精度はあと1カ月で上げていきたい」と見通しは悪くなさそうだ。
充実一途の23年MVP右腕を、藤川監督は「準備の1本目はきれいに踏み出したんじゃないか」と評価した。開幕投手は昨季13勝の才木と事実上の一騎打ちとみられている。ただ、指揮官は「明日もまた違う投手(才木)が投げますから。健康かどうか、明日、あさって、聞いてみないといけない。今日登板していますから。回復を見たいと思います」と慎重な発言に終始した。最終的にはコンディションなどを総合して決めていく方針のもよう。開幕投手争いが最終盤を迎えているのは間違いない。
村上は「開幕(投手)はやりたい場所でもある。そこを狙っていきながら調整していきたい」と意欲を隠さなかった。【柏原誠】