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<オープン戦:楽天7-7阪神>◇22日◇沖縄・金武
楽天村林一輝内野手(27)が、“25年チーム1号”をかっ飛ばした。オープン戦初戦の阪神戦に「6番三塁」で先発。4回に右越え3ラン、6回にも右前打をマークして3打数2安打3打点と結果を残した。本職はドラフト1位の宗山塁内野手(21=明大)と同じ遊撃だが、沖縄・金武キャンプ期間の対外試合は二、三塁でも起用されるなど万能ぶりを発揮。10年目を迎えた守備職人が、バットでもアピールした。
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村林がチーム1号を逆方向へ突き刺した。3点を追う4回1死一、二塁、1ボールから阪神岩貞の直球を捉えた。打球は南国の風にも乗って、右翼ポール際へ。「感じとしては悪くなかったんですけど、あれに関しては風が吹いてくれたんで。結果こうなって良かったと思います」。6回には右前打を放ち、3打数2安打3打点と打線をけん引した。
今キャンプの実戦では、先発出場した試合すべてで違うポジションを守っている。16日の日本ハム戦は遊撃、18日広島戦は二塁、そして、この日は三塁だった。「勝つために(ポジションが)動くのが当たり前だと思っているので、どこであれ自分が今、持っているものを、しっかり準備して、全力でプレーするだけ。(守るポジションによって打球の)見え方とかも少しは変わるとは思うんですけども、そこら辺はしっかり回していけるように取り組んでいきたいです」と、頼もしい。ドラフト1位の宗山らと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、チーム力アップに貢献する。
今季から背番号「6」を背負う。憧れの存在でもある元楽天の藤田一也氏や自主トレで師事するソフトバンク今宮がまとった遊撃手の代名詞だ。「やっぱり、ずっとつけたかった番号なので、すごく新鮮な気持ちで臨めています」。キャンプ期間はファンからサインを求められることが多く「もともとの66番で、たまに書いてしまうときもあります」と笑う。それでも「6番と言えば村林」と言われるような活躍を目指す。
昨季は自己最多の139試合に出場したが、レギュラーを確約されているわけではない。「シーズンが始まったら、やっぱりもう勝つことだけだと思うので、自分ができることを精いっぱいして、試合をしたい。残りのオープン戦もたくさんありますけど、しっかり臨みたいなと思います」。プロ10年目も貪欲にアピールし、ポジションをつかみ取る。【山田愛斗】