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日本ハムのドラフト1位、柴田獅子投手(18=福岡大大濠)が17日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭で初めてプルペン投球を行った。立った捕手に10球、座った捕手に20球で計30球。「7、8割ぐらいで投げました。そこそこ良かったかなと思います」と振り返った。
“富岳風”投球練習だ。セットポジションからリリースまでの約5秒間で「(課題を)瞬時にバーって計算しながらするタイプ。何百個ぐらいやったかな。数えられない」。軸になる考えは「いかに無駄な力を入れずにボールに力を与えられるか。右手、左手、右足、左足、胴体とかで考えて分けてたり。あとは感覚なので言葉で表すのが難しい」。スーパーコンピューターばりに脳をフル稼働させ、動作をチェックした。
ストレートに加えカーブ、スライダー、スプリットを織りまぜ投球。マウンド側で見守った金子2軍投手コーチは「(最速)140キロちょいぐらいでしたけど、全力で投げていない中でそれだけ出れば十分。変化球は初めて見ましたがカーブでストライクを投げられてましたし、スライダーも、カーブと曲がり方に差があっていい」。打席側で見た稲葉2軍監督は「手元で伸びる。腕の振りとボールの力がちょっと違って、打者は差し込まれるかな」と、脱力したフォームと球威のギャップに注目。元沢村賞投手と元首位打者の2人に高い評価を受けた。
傾斜の感覚をつかむための試運転でも、淡々と非凡な才能を披露した。並行して進める打撃も、20日の阪神との練習試合で2度目の実戦出場予定。独自の思考を駆使しながら、投打ともベストの形に仕立てる。【永野高輔】